【政治報道】 平成二十九年十月二日に東京都内にて枝野幸男(甲辰、写真上)元・内閣府官房長官が記者会見を開き、民進党(代表:前原誠司)を離党して新たに『立憲民主党』の結成を発表した。結成時の新党の構成員は枝野代表一人。希望の党(代表:小池百合子)から漏れる民進党のリベラル系の若手や候補予定者の受け皿となる。後一週間後に迫った公示日を前に、呼び掛け期間は選挙実務上の間際まで待つ。
記者会見で枝野代表は、質疑応答に多くの時間を割いた。右派か左派かの問いに「そもそも保守とリベラルは対立概念ではありません。上からか下からかが対立軸。」と、左右ではなく上下を主張。争点については「政治家が決めるものではありません。有権者が決めるものだ。」とし、自民党(総裁:安倍晋三)や希望の党を意識した上からの民主主義・リーダシップ・経済政策ではなく、「草の根からの民主主義でなければならない。ボトムアップ型の社会にしていなければならない。」と語気を強める。ボトムアップ型のリーダシップ等を『立憲民主党』の一つの明確な立ち位置と明言した。
<資金準備完了>
選挙資金については「ミニマムだが、しっかりと活動できる。」程度を確保。民進党からも慣例により資金を調達できると踏む。『立憲民主党』の綱領・基本政策は積み重ねてきた民進党のもので、総選挙後にブラッシュアップする。消費税では、将来的な国民負担が枝野代表の考えだが、現下の経済状況で予定通りの増税は避ける。原発政策では、原発ゼロ。改憲では、未来志向の憲法を志向し、自衛隊加憲論は了承しない。人事は一定のメンバが固まった所で、可及的速やかに幹事長等の役割分担を行う。
また枝野代表は「安倍政権を倒さなければならない。立憲民主党は、より明確におかしな政権に対し、最も力強く闘う集団にしていきたい。」と意気込む。既に連合の神津里季生(丙申)会長とは会談済みで、枝野代表の支援要請に連合側は理解・賛同を得たとした。“働く者の立場”として総選挙に臨む。そして野党共闘・選挙協力は行わない。希望の党への一連の流れを「残念なプロセス。」と幾度も評し、会見終盤では「ピンチはチャンスである。」と述べた。
同日夜に街頭演説をした菅直人(丙戌、写真上)元・総理大臣は、新党に参加する意向を示した。
写真上(撮影:金剛正臣)民進党代表選で街頭演説する枝野幸男元内閣府官房長官
写真下(撮影:岡本早百合)民進党代表選で投票する菅直人元内閣総理大臣
記事:金剛正臣
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