西・マドリッド コレクションから二〇一八春夏を八ブランド

【高級ファッション考察】 平成二十九年九月十四日から十九日に『メルセデス・ベンツ ファッションウィーク マドリッド』が開催された。二〇一八春夏コレクションだ。公式は二十九ブランド、オフマドリッドは十三ブランドとなった。


高級下着ブランドの女性デザイナ「Andrés Sardá」は貴婦人の象徴の一つであるカクテルハット等を用いた。トランクを片手に、まるで当時の駅のプラットフォームを闊歩している様な魅せ方。淡く光るルックからウェスタン、ナース、バニー、ウェディングと。果てはスペーシや近未来感に挑み、ゴージャスなエレガンスに落ち着いた。ショーツは臀部の上半分からハイウェストと品性あるセクシを創り出した。


女性デザイナの「Juana Martín」は絶妙なエロスを放つ。モデルが若く細いので着た感の見た目が分かりにくいだろうが、女性は年齢を重ねるにつれて、体型はより女性らしくふくよかなラインになり易い。その前提でのカッティング、生地遣いだろう。若い女性には出せないルックを多数実現しており、正に婦人世代にベストフィットするコレクションだ。ビジネスシーンからカジュアル、パーティ、ナイトと一連を揃えた。


メンズデザイナ二人の「Alvarno」は、ドレスとシャツにタイの二類のスタイルを提案。白のカラーに特徴をもっていき、生地の光沢感を意識しつつ、シンプルなセクシに大きめの柄やシルエットでらしさを出した。特に編上げのサンダルは印象的でレースの細さが極まっており、やや喰い込ませたディテールに艶を覚える。


女性デザイナの「Ángel Schlesser」はビジネスレディのリアルクローズを意識した。ゆとりある優雅な貫禄あるディテールが目立ち、ハイクラスの女性の現実を反映している。ジャケット オン ジャケットの様な堅めのルック(写真上)も生地感や身ごろの大きさで女性らしさを損なわない。セクシながらも強いビジネスレディに仕立て上げる。他にもプライベートで幅広く対応できるルックが揃った。


ダンディなデザイナの「Marcos Luengo」は最先端のビューティ ビジネス。遊び心あるカジュアルも魅力的だが、やはりビジネス系とエレガンス系が強い。コート丈もあるノースリーブはスマートで強い女性に向いており、圧倒的な存在感を与えてくれる。正反対のシックながらも芯の強さは残す。


男性デザイナの「Ulises Mérida」は次のエレガンスを提案してくれる。今季のコレクションでは、白・オレンジ・水色・紺の四類に分けた。デザインは斬新ながらも質感を重視している様にみえる。世界的なエクササイズ ブームで身体を鍛える女性は年齢に関わらず非常に増えた。ただファッション界はスポーツを除き追いついてない。だが同ブランドは異なる。ルック毎の光沢感やカッティングは狙ったどうか分からないが、鍛えた身体でベストプラクティスとなりそうだ。


女性デイザイナの「Dolores Cortés」のランウェイは暗かった。ナイトシーンを意識したスウィムウェアが目立ち、ハイレグをヒップでも攻める。ランジェリ調もあり、カラフルとシックをはっきりと分けた。ボディラインを極限に惹き立てるルックと全体を覆うルックのメリハリもあった。


Custo Barcelona」はポップなコレクション。スウィムエアのハイレグは古風なカッティングにインパクトある生地の複数使用し、エッヂを効かせた。ボディフィットなワンピースや大胆なワンショルダのルック、スポーツやヒッピーテイストを重用した。


画像引用:Mercedes Benz – Fashion Week Madrid - Ifema

記事:金剛正臣

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