【教育報道】 東京・江東(区長:山﨑孝明)は、令和四年一月十一日に第四十号「こうとうの教育」を発行。その中で同三年度『全国学力・学習状況調査 結果』を掲載した。結果の公表自体は十二月六日。
小学校(前期課程)の国語・算数と中学校(後期課程)の国語・数学の全てにおいて全国平均及び都平均を上回った。小学は恒常的に、中学は平成三十年度より上回り続けている(山﨑区政下)。都平均が百。
調査対象は、小学校・義務教育学校の第六学年児童の三千八百七十三人、及び中学校第三学年生徒・義務教育学校第九学年生徒の二千五百二十四人。調査時期は五月。
三年度は小学国語は全国よりも十.八㌽、都よりも五.九㌫も上回った。小学算数は全国より九.二㌽、都より四.一㌽上回った。中学国語は全国より五.一㌽、都より一.五㌽上回った。中学数学は全国より八㌽、都より三.三㌽上回った。
江東区は数値上、既に全国でも特別区(二十三区)内でもエリート学区だが、山﨑区政は甘んじない。同六年度の目標値は小学で都平均よりも七㌽、中学で五㌽上回る事を目標に掲げ、日本の未来を担うエリート養成に野心的だ(報道現在)。
特に読解力低下が叫ばれる中、国語が都平均を上回っている点は大きい。こればかりは、教員の質及び教育委の“国語重視”が欠かせない。以下は同区の教育委。傍聴可の教育委定例会は、同四年一月二十八日。
- 教育長:本多健一郎(写真上)
- 教育長職務代理者:進藤孝
- 委員:眞貝裕利子、鈴木清人、本田和恵
<エリート学区の理由>
勝因を同区の教育委に聴いた。答えは「各学校の努力」と独自の「こうとう学びスタンダード」。平成二十四年度より開始し、令和元年度より「こうとう学びスタンダード(ネクスト)」及び「就学前教育スタンダード」を展開。
これらを教育委は「全ての子ども達に幼・小・中で学ばせたいものとなっております。」と説明。区内の各教員は、これを基に定着を徹底。上図の通り、“躾”の部分まで徹底しており、共働きの世帯でも安心の内容となっている。
「こうとう学びスタンダード」が成績結果に表れたと言えよう。
=小学=
- 家庭学習一(月~金に六十分以上/日の勉強をする);国=六十二.五㌫、都=六十六㌫、江東区=七十四.五㌫
- 家庭学習二(家で、自分で計画を立てて勉強をしている);国=七十四㌫、都=七十五.二㌫、江東区=七十九.四㌫
- 読書への親しみ(月~金に三十分以上/日の読書をしている);国=三十七.四㌫、都=四十一.四㌫、江東区=四十四.七㌫
=中学=
- 家庭学習一(月~金に六十分以上/日の勉強をする);国=七十五.九㌫、都=七十八.七㌫、江東区=八十二.四㌫
- 家庭学習二(家で、自分で計画を立てて勉強をしている);国=六十三.五㌫、都=六十二.六㌫、江東区=六十二.一㌫
- 読書への親しみ(月~金に三十分以上/日の読書をしている);国=二十八.九㌫、都=二十九.一㌫、江東区=二十八.八㌫
=課題=
今後の課題は、読書率。中学に至っては国と都より下回っている。端的に「如何様な書物を子どもへ提示すれば良いか」が問われる。読書率を高める為には、子どもが興味を抱く書物を提示する必要がある。その絶対数が多いに越した事は無い。
当然に教員及び教育委は、例示すべきであるが、高難易度な書物(大人が読む書物)が図書室等に無い又は少ない点が挙げられる。例えば政治(法学・政治学)・経済(経済学・経営学)・社会(人文学・心理学)・技術(IT工学・統計学)等と専門性が高い書物が少ない。
記者の実家には書棚に六法全書や太平記等があった。小学生で前者に興味を抱き、学校の図書室等を見回ったが、法律に関する書物は非常に少なかった。父親に法律を学べる場所を聞くと、「大学の法学部」と答えた。依って、法学部を目指す事を決め、基礎となる小中の学習を学ぶモチベーションとなった。
以下は、同年度に初めて調査された「蔵書数」。雑誌・新聞・教科書は除く。
- 〇~十冊;小)十一㌫、中)十四㌫
- 十一~二十五冊;小)十九㌫、中)二十㌫
- 二十六~百冊;小)三十四㌫、中)三十二㌫
- 百一~五百冊;小)三十二㌫、中)三十㌫
- 五百一冊~;小・中)五㌫
現在はYouTubeで子どもでも好きな学問を検索できる時代。子どもの飽くなき追及をリードしてあげる事こそが重要ではないだろうか。その際に「子どもだから。」という過去の偏見は控えた方が良いだろう。ポイントは周囲の大人(親を含む)が子どもの知的欲求へ邁進できるか。
尚、江東区議には子育て中の母親・父親が多く、江東区内には学問の神・天満大神(菅原道真公)を祀る「亀戸天神社」とスポーツの神・経津主神を祀る「亀戸香取神社」、そして応神天皇を祀る「富岡八幡宮」が在る。
記事:金剛正臣
画像:江東区(令和3年度「全国学力・学習状況調査」の江東区の状況について)
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