子育て世代優先の江東区が『長期計画』、十年後には六十万人に迫る

【社会報道】 令和二年四月一日に江東区(区長:山﨑孝明)は、十年間の『長期計画』を策定・公表した。本計画は区政運営の具体的指針となり、二十年間「基本構想」に下位、毎年度「各種事務事業」に上位である。最重要課題を「地下鉄八号線(豊洲-住吉間)の延伸」に据えた。

都(知事:小池百合子)は築地から豊洲への市場移転の条件に八号線の延伸を同区と約束したが、未だに反故にしている。


同区は特別区の中でも高齢化が低めであり、都心三区(千代田・中央・港)から隣接する点で若い子育て世代(二十歳から四十九歳)が十一万人を超え、最も多い(令和二年一月時点)。人口は五十二万人から六年には五十五万人、十一年には五十七万人と推計する。特別区の中でも屈指の成長区である。高齢者の割合は、一割を切る見込んでいる。


財政は五年で区切り、前期と後期に分ける。六年までの合計金額(歳入・歳出)は一.一兆円。内、一割強を主要事業に割当てる(ハード:七、ソフト:三)。重点プロジェクトは以下の七点。

  1. 水彩・環境都市づくり;公園・水辺の整備等
  2. 未来を創るこどもを育むまちづくり;子ども家庭支援センタの整備、小・中学校の学習内容やICT環境等の教育環境の充実
  3. 地域の活力を生み出すまちづくり;区内中小企業の経営力・競争力強化等
  4. 高齢者など誰もが支えあう社会づくり;高齢者自身の知識・経験を活かし、活躍できる環境整備等
  5. 防災都市江東戦略
  6. オリンピック・パラリンピックレガシーの継承;スポーツ実施率の向上(週一以上の実施割合五割弱から七割弱へ)等
  7. 臨海部のまちづくり;都連携のスポーツ・観光・MICE等


同区はICTの利活用を推進する。人工知能(AI)や事業プロセス自動化(RPA)等のICT利活用により、区民にとって便利で質の高い行政サービスの提供と効率的な行政運営を推進したい。


指標の一部として「水辺と緑に満足している区民の割合」は七割強から八割へ、「保育所待機児童数」を五十一人から〇へ、「全国学力調査で都平均を百とした際の区の数値」を小六・百五.二、中三・百二.二から百七と百五へ変えたい。



若い議員と耳を傾けるシニア

 同区の区議会は定数四十四席の内、若手が占める割合が比較的に多い。子育て世代の女性議員が多いのも特徴だ。だが子育て世代の議員がいても、会派のシニアや区長が耳を傾けなければ、子育て世代向けの施策は生まれない。同区は結果から視ても、特別区の中で働き手世代の意見を積極的に採り入れるシニアが多い事を示唆している。


同区が更に子育て世代にとって、より良くなる為には重要課題に位置付けた「地下鉄八号線の延伸」だ。延伸を都が決めた場合には、豊洲ー新駅・枝川周辺(豊洲の東、潮見の西)ー東陽町ー新駅・仙石周辺(四ツ目通り沿い)ー住吉となる予定。新駅が二駅も設置され、東西線・東陽町の混雑緩和にも資する。


百合子都知事(壬辰)は前代、前々代と比べて何かと成長要素を阻害してばかりだ。同区及び区民との「約束を果たす」という大人して当たり前の事をされたい。


尚、同区は長期計画の内で「分野別計画<素案>」に関する意見等公表(パブリックコメント)を全文公開した。現・都知事は、都民から寄せられた意見の公表はしない(取材確認済み)。


記事:金剛正臣、写真:岡本早百合

† 江東区長期計画リーフレット

画像:江東区長期計画概要版江東区長期計画本編

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