宮﨑あおい転機の映画『EUREKA』、改めて振返り涙

【芸能報道】 平成二十九年十一月一日に東京・六本木にて映画『EUREKA(二〇〇〇)/サンセントシネマワークス』のQAがTIFF二〇十七内で行われた。主演の宮﨑あおい(乙丑、写真上)と青山真治(甲辰)監督が登壇。観客席で観ていた斉藤陽一郎(庚戌)も両名に呼ばれ、急遽登壇。三名でQAに臨んだ。斉藤も出演している。


今回の上映は、あおいの「映画祭でしかできない。」という希望で決定した。本作を改めて観賞し「二十代の最初の頃やでき上がって直ぐに見た十代の時は感じなかった事をたくさん感じて。初めて『EUREKA』を観て涙が止まらなくて。なんか凄いな、映画ってとっても良いなって、今回改めて思った。」と、アーカイブとして過去を振り返る事で新たに得るものがあった。


また「十四歳の自分がスクリーンの中で永遠に生きていく。本当に貴重で素晴らしい経験だったなあと思います。」とコメント。観客から本作の撮影時に女優の継続を見越していた点を尋ねられると、「『EUREKA』に参加できて、その延長線上に今がある。好きなものに夢中になっている大人の人って素敵だなあと今でも思うし、自分もそうなりたい。」と答えた。



 監督(写真上)はあおいと十年振りに再会。「気持ち的に何にも変わらない感じて会えた。」と歓喜。本作を振返り、「オーディションをやったけど、何にもしていない。僕は『ここを見て』と言って、その見ている目がどれくらい透明かという事しか。断トツ透明。」と、あおいを絶賛。更に、直樹役を演じたあおいの実兄・将がオーディションした当時、監督が二人を兄妹と知らなかった様で、「苗字一緒じゃない。『兄妹でいけるね。』って言ったら、助監督に本当の兄妹なんだよと言われました。」と思い出を零した。


監督は「一本映画を撮るという事は、フィクションなんだけど、ドキュメンタリなんです。その時に映っているあおいは、それ以外の何者でもない。こうやって撮れた事を心から幸福に思っています。」と語り、続けて「こうやって、このフィルムを見る機会は一回しかなく、その記憶は絶対に消えない。その経験こそが映画を見るという経験で、それこそが一番素敵な事だと僕は思っています。」と時々の出逢いの大切さを観客に伝えた。


=作品解説=

 九州の田舎町。バスの運転手・沢井はバスジャック事件の現場に偶然居合わせ、危うく命を落としかける。彼のほかに、直樹と梢の兄弟だけが生き残った。だが、3人は、事件によって心に大きな傷を負ってしまう。

2年後、消息を絶っていた沢井が街に戻ったのと時を同じくして、周辺で連続殺人事件が発生、再び疑いの目を向けられる沢井。彼は兄弟がふたりで生活しているのを知ると、彼らとともに暮らし始めるのだった。


撮影記事:岡本早百合

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