世界最大の一億組織・中国が見据える三十年後

【政治考察】 中華人民共和国(中国)で平成二十九年十月十八日に第十九回『中国共産党大会』が閉幕した。習近平(癸巳)中央委員会総書記が三時間以上も演説をした事が報じられた。肩書きは国家主席、中央軍事委員会主席も付く。事実上、党・三権・軍部のトップだ。米中に挟まれている日本に、今後の中国は如何様なインパクトを与えるのか。


中国は日本と異なり、三権よりも共産党が上だ。立法府にあたる「全国人民代表大会」は一院制議会で、毎年一回の開催。議員は三千人に迫る。司法府にあたる「最高人民法院」は共産党員を裁けない。党員を裁くのは共産党だ。党員の数は九千万人で中国共産党は世界最大の政党である。行政府にあたるのは「中華人民共和国国務院」。


軍部にあたる「中国共産党中央軍事委員会」が指導する「中国人民解放軍」の総兵力は二百三十万人で世界一。米国は二位で百六十万人。三位はインドの百三十万人。日本の自衛隊は二十五万人。日中で十倍近い差がある。中国は党・三権・軍部で日本の人口程の世界最大の一億組織だ。



<後二十年、習近平>

 五年に一度の『党大会』で習総書記が何を語ったか。日本において非常に重要である。ポイントは後二十年近く君臨する目論みである点。目論み通りならば、日本は習総書記と二十年付き合う覚悟が必要となる。その間、総理大臣や米統領は何人変わるだろうか。彼は建国した毛沢東(癸巳)と再建した鄧小平(甲辰)を超え、皇帝に成る目論みであろう。恐らく国連等で日本の天皇と英国の女王の最上格に並びたい。


『党大会』が開かれた万人大礼堂には横断幕があった。「社会主義の偉大なる勝利を奪取し、中華民族の偉大なる復興」の言葉があった。彼にとっては中華民族の復興なのだ。演説でも近年の国際的地位の向上をアピールし、資本主義的社会主義の新たな時代の到来を吠えた。未だ中国の社会主義は初期段階で世界最大の発展途上国と見做している点とも重い。



漢民族を大和・ゲルマンに並ぶ最高位へ

 何を復興するのか。五千年以上の中華民族の歴史を挙げ、百八十年程前のアヘン戦争から八十年程前の日中戦争までの百年間を悲惨とし、中華民族の地位低下を話した。そこからの復興である。以前は「中国四千年の歴史」であったが、習総書記以来は歴史が一千年も増した。現在の漢民族が治める中国自体は七十年程の若い国だ。


建国百周年に向けて、後三十年程で「社会主義現代化」国家を実現させたい。世界平和と共同発展の維持・保護、軍の機械化や海洋強国化による世界一流の軍隊の建設(二十一世紀半ばを目標)、愛国統一戦線の強固な発展、台湾(中華民国)の完全統一、教育事業の優先的発展、農村の貧困人口ゼロ等を掲げた。弱肉強食には反対の模様。


中華民族を多用している。中途にも挙げたが、習総書記は中華民族、詰まり漢民族を世界的に最高位にしたいのであろう。「中華民族を世界の民族の林に屹立させる。」と意気込んでいる。日本の天皇は大和民族で神武朝、英国の女王はゲルマン民族でウィンザ朝。中国は歴史上、数多の王朝を輩出してきた。彼は習王朝を創りたいのだろうか。

尚、中国が五千年の歴史であれば、それは紀元前三千年に黄河の中・下にて興った新石器時代「仰韶文化」や「大モン口文化」等を指すのであろう。


画像引用:「習近平氏思想」規約に明記、中国共産党大会閉幕/REUTERS

記事:金剛正臣

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