蒼井優が当時を「野猿の様な少女時代。」と、鈴木杏らとの映画『花とアリス』|TIFF2017

【芸能報道】 平成二十九年十月三十日に東京・六本木にて、映画『花とアリス(二〇〇四)/東宝』のQAがTIFF二〇十七内にて行われた。女優・蒼井優(乙丑、写真上)、女優・鈴木杏(丁卯)と監督・岩井俊二(癸卯)が登壇。撮影から十三年が経ち、当時を振返りながらファンとの時間を楽しんだ。


銀幕のミューズの一人であった優は「私のミューズです」と、私生活でも仲良しの杏を紹介。監督(写真上)は「立派なミューズになりました。あの頃は天真爛漫で弾けまくっていました。二人でキャーキャー楽しそうにやっていた。エネルギッシュな現場でした。」と振返った。「桜で雪合戦みたいな事をしたよね。休憩中、勝手に遊んでいたら採用になった。杏と遊びたくて仕方なかった。」と優。同じ高校に通い、一緒に昼ご飯を食べていた。


優は当時を「私、若い時って、こんな鼻声だったんだな。後、亡くなったカメラマンの篠田昇さんの眼差しが素敵。それがあって、野猿の様な少女時代を過ごせたんだな、と。大人になると、分かりますね。」とコメント。杏(写真上)は「元々、岩井さんの映画が好きだったので。貴重な時期の貴重な作品の一つです。」と、自身にとって本作の大切さを零した。


今の「『花とアリス』の物語はどうなっているでしょう。」と、ファンから投げかけられた。杏は「二人が幸せな家庭を築けているかは疑問。」と言うと、優も続けて「アリスはそんな感じがするね。幸せをなぎ倒している。花が社交性を身に着けていたら面白いけど。」と答えた。


 監督は「ショートフィルムを作ろう、というところから始まった。二人の日常から切り取っていくみたいな感じで。盛り上がらない話だなと思ったけど、ゾーンに入ると、どんどん生まれてくる。公開が終わっても、ずっと花とアリスがいる。だから『花とアリス殺人事件』も作ったんです。」と、本作の関連作品のアニメ製作の経緯を語った。


観客からは「今の『花とアリス』を作って欲しい」とのリクエストを受け、「何も具体化していないけども、二人の関係や性格が逆転しているとか面白いかな。宿題で持って帰ります。」と次回作への期待も。最後に優は「十年以上経っても皆さんが、またスクリーンで観たいなと思って下さる映画に出られて本当に良かったです。タイムカプセルを掘り返した様な幸せな気持ちです。」と締め括った。


=作品解説=

明るく素直な花と自由奔放で勝手なアリスは、幼なじみの中学生。ふたりはいつでも何をするのも一緒。しかし、花に訪れる初恋がふたりの関係を微妙に変化させていく。友情と恋の狭間に戸惑いつつ、大人の階段を少しずつのぼり始めるふたり・・・。誰しもが経験する一時期の戸惑い、悩み、苦しみをノスタルジー溢れる映像とともに描くスイートでビターな初恋物語。


撮影記事:岡本早百合

0コメント

  • 1000 / 1000