現代の男に求められている漢を描く舞台『義風堂々!!』、二十六日まで

【芸能報道】 平成二十九年十一月十六日に東京・代々木にて、エイベックス・エンタテインメント(代取:黒岩克巳)は舞台『義風堂々!!』の初日舞台挨拶・公開ゲネプロを行った。東京公演の日程は十七日から二十六日。大阪公演は十二月九日から十日。


本舞台の原作は原哲夫(辛丑)と堀江信彦(乙未)の「義風堂々!!/新潮社」シリーズ。報道現在で月、酒に続くシリーズ最終章の花語りきが連載中で「花の慶次/集英社」のスピンアウト作品となる。TVアニメも放映された。前田慶次(生年揺らぎ)の莫逆の友・直江兼続(庚申)の物語だ。


舞台挨拶にはW主演の直江兼続役の猪野広樹(壬申)と前田慶次役の鍵本輝(戊辰)、志村玲於(己卯)、古川毅(壬子)、早乙女友貴(丙子)、小野健斗(己巳)、伊藤裕一(甲子)、倉持由香(辛未)、窪寺昭(丁巳)、鈴木健介(庚戌)、内堀克利(甲寅)、ブラザートム(丙申)、天宮良(壬寅)、脚本・演出のきだつよしの計十四名が登壇。


猪野(写真右)は「ベテランの皆さんが助けて下さったので。二週間という短い間でしたけれども、全ては初日に向けて良いものが出来る様になったらな。」とゲネへの意気込みを語った。鍵本(写真左)は「『義風堂々!!』を観てくれたお客様に対して、私にとって、僕にとって生き様って何だろうなって帰り際に感じて貰えたら。」と戦国時代の一つの美を訴えた。


由香は前田慶次が通う遊郭の遊女で正体がくノ一の薄雲役。「今回のメインキャストの中で紅一点なので緊張しているのですけれども、SEXYに華を添えられれば。」と挨拶した。


演出のきだは「今回は漫画を舞台化する、というよりは大河ドラマを舞台でやる。そういう気分で作らさせて貰いました。恐らく二.五次元史上、最も骨太な作品になっている。」と男性への観劇もアピールした。


=劇評=

多くの男性に観て貰いたい。そう思えた作品であった。

原作・原哲夫の男の美学を優れた脚本と演出の地盤として、登場人物の各武将が宿った役者の演技が大いに見物である。W主演の二名は素より、脇の演者達を含む武将らしい雄々しき声の張り出しと表情が印象的であった。


舞台は戦国時代。原作は比較的、現代語に近づけているものの、言葉遣いは難儀。だが演者達の特異なイントネーションの発音で台詞を聴き取り易くなっていた。併せて舞台上での描写の仕方がまるで漫画やアニメの様に描いている為、直江を知らない女性が観ていても物語りが分かりやすそうだ。「イケメンがいるだけで話しがスースー入っていくる。」とある女性記者は話していた。確かに二枚目が、とても多く揃っている。


何よりアクションシーンの効果音のタイミングと適宜音量には驚きを隠せなかった。武将が剣等を振り回す殺陣と忍者の素早い動きに対してアクション毎に効果音を入れ込む。複数戦では音の強弱で奥行きを与え、更に臨場感を増していた。二.五次元の舞台は、ここまでリアルタイムに合わせれる程に技術が向上している。また舞台も観客がフォーカスしやすい装飾が控え目な大道具。照明も併せた全体のシンクロは非常にレベルが高いだろう。欧米のミュージカルでは、この領域まで来れないのではないだろうか。


そして外せないのが、ミドル以上のベテラン勢。猪野の挨拶通り、ベテラン勢の演技が爽やかな若手の男の美をとても惹き立てる。多数の若手は華が強いので、渋みあるベテラン勢のお陰で舞台が締まる。ゲネで観ている女性がすすり泣くシーンは、若手とベテランで魅せた。特筆は前田利家の「ギックー!」は天下逸品の演技。その一コマを完全に思い出した。


観終わった後の率直な感想は気持ちの良い舞台であった、と賛辞したい。


撮影記事:金剛正臣

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