【ビジネス報道】 令和四年二月二十二日にディスコ(代取:新留正朗)は、『二〇二三年卒・新卒採用に関する企業調査-採用方針調査』を公表。本年卒採用の選考終了状況についても尋ねた。回答者数は一千二百十二社。調査時期は一月から二月。
- 来年三月卒の採用見込み;「増加」が三割弱、「減少」は一割弱。「増減なし」は六割
- 自社の採用活動の見通し(難易度);七割が「厳しくなる」
- 来年卒採用のテーマ; 「母集団拡大」が最多。「プレ期の活動と早期接触学生の繋ぎ止め」が大きく増加
- 採用活動の開始予定時期;「三月中旬」が最多、「一月以前」が増。内定出し開始は「四月下旬」が最多
- 採用活動の方向性;早期から積極的に学生との接点を増やす傾向が顕著。幅広い層にアプローチする動きも
- 選考時に重視する点・採用重点層の変化;人物重視での採用が大多数。志望度も重視。採用重点層の条件「ここ数年で変化」三割強
- インターンシップ等のプログラム(一日以内~)実施状況;実施企業は七割、前年度より増加。オンライン実施企業は七割
- 来年度のインターンシップ実施予定;六割強が実施予定。内、受け入れ枠を「増やす」企業が二割。夏季の開催が増える見込み
- 本年三月卒の選考終了状況;選考終了企業は八割強、充足率の平均は八割。共に前年同期をやや下回る
昨年卒は、コロナ禍で採用抑制に転じた企業が少なくなかったが、本年卒では早くも回復基調が見られた。今回の調査結果から、回復基調は来年卒も続くと同社は見ている。採用意欲は、従業員規模が大きくなる程に高く、従業員一千人以上の企業において三割強が「増加」と回答。新卒採用マーケットは、大手企業に牽引される形で回復していると読み取る。業界別では、何れも「増加」が「減少」を上回るが、業界によりバラつきが視られる。
採用活動の方向性について、前年との変化を尋ねた。「プレ期の活動を増やす」が六割弱、「WEB上の露出を増やす」と「採用広報を強化する」は五割。早期から積極的に学生との接点を増やす意向。「採用対象校」「採用活動地域」も「拡大する」が三割。母集団拡大の為、幅広い層の学生にアプローチしたいと考える企業が多いと同社。
以下は、採用活動に関する企業の意見。
- 昨年よりも同業他社との競合が増える事が予想されます;印刷中堅
- 恐らく売り手市場になると思われる。また、プレ期の学内セミナでの学生の反応の鈍さから、コロナにより社会との接点の少ない学生が多い様に思われ、クオリティにも疑問が残る;運輸大手
- 優秀層については他企業との奪い合いになる事を想定しており、引き続き厳しい状況が続くものと想定;エネルギ大手
- 兎に角プレ期の活動に重きを置く方針です。学生の活動早期化(特に優秀層)への対応が全てと考えてい
ます;商社中堅
- ここ数年、理系人材の採用が計画数に至っていない為、母集団拡大に注力した施策を予定しています;電子・電機中堅
- WEB化により採用担当の負担が減る為、自社セミナの回数を増加し、学生との接触の機会を増やす;コンビニ・GMS大手
- WEBでの露出を増やす事、WEB掲載の動画や写真の質を高める事が重点課題;自動車・輸送用機器中堅
インターンシップを実施する上での課題を尋ねた。最も多いのは「参加者の本選考までの繋ぎ止め」の四割強。早期に接点をもった学生を如何に採用に繋げるかが最大の課題と同社。注目は「参加者(応募者)が少ない」「ターゲット層の応募が少ない」と「人事部門のマンパワー不足」。三割強から四割の企業が課題として捉えている。
「オンラインでの実施」「適切なプログラム内容の構築」は、前年度より大きく低下。オンライン化に上手く適応できた企業が増えたと推測した。
以下は、インターンシップ実施に当たって工夫したい事。
- 現在は座学・個人ワークが中心だが、学生が退屈しない様にグループ ディスカッションや現場社員と接点を持てるプログラムにしていきたい;建設・住宅・不動産中小
- オンラインでの参加学生の満足度の向上(どういった内容であれば満足し、選考へ繋げる事ができるのか);運輸・倉庫大手
- 二〇二一年度はコロナの影響で集合型を急遽WEBに変更せざるを得ず、中途半端な内容になってしまったので、二〇二二年度は事前に集合型とWEBの両方で対応できる様準備したい;官公庁・団体中小
- インターンシップの種類を増やし、母集団形成に繋げたい;専門店大手
- 夏の時期のインターンシップ開催を検討しています;情報処理・ソフトウエア中小
画像:㈱ディスコ
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