愛子内親王殿下が成人の『初会見』で自由質問をお受けになる

【日本報道】 愛子内親王殿下(辛巳)は、令和四年三月十七日に皇居「御所大広間」にてご成年をお迎えになっての記者会見に臨まれた。会見は初。自由質問にもお答えになった。事前五問、自由三問。


問一 ご成年を迎えられたお気持ち

 昨年十二月一日に成年を迎えまして、先ず二十歳という節目を無事に迎える事ができました事を嬉思っております。そして今までの、あっという間の様で長くも感じられる充実した月日を振返りますと、これまでのあらゆる経験は、多くの方の支えや御協力があってこそ成し得たものであると身を以て感じております。これまで様々な形で支えて頂き、成年を温かく祝福して下さった皆様に、心より感謝をお伝えしたいと思います。


誕生日当日は、成年を迎えたという実感がまだあまり湧いておりませんでしたが、十二月五日の成年行事の折に天皇陛下より勲章を親授して頂きまして、初めて身に着けた時に勲章の重みをひしひしと感じて、身の引締まる思いが致しました。


そして新年には、成年皇族として初めて「新年祝賀の儀」に出席しまして、また年末から年始に掛けては幾つかの宮中祭祀にも参列致しまして、初めての事ばかりで緊張も御座いましたし、これまで両親から話を聞くだけであった行事に自分が参加しているという事には少し不思議な心持ちが致しましたけれども、自分が成年皇族の一員であるという自覚が芽生え、個々の行事に責任感を持って臨まなければならないと感じた瞬間で御座いました。


今後につきましては、まだ大学生で御座いますので、当面は学業を優先させて頂きながらにはなりますが、一つ一つのお務めを大切にしながら、少しでも両陛下や他の皇族方のお力になれます様、私のできる限り精一杯務めさせて頂きたいと考えております。



問二 ご自身の性格や長所・短所について

 私の性格は、友人や周りの方からは「穏やか」であったり、「無邪気」と言われる事が比較的多い様な気が致します。長所は、自分ではなかなか気付き難いもので御座いますけれども、事前にこの御質問を頂いたのでじっくりと考えてみまして、強いて申し上げるなら「どこでも寝られる所」でしょうか。


短所と致しましては、今のエピソードからお分かりかもしれませんが、自由に伸び伸びと育った様で「少しマイペースな部分がある所」だと自覚しております。また、小さい頃から人見知りの所が御座いますので、これから頑張って克服する事ができれば、と思います。


昔から体を動かす事が好きですので、父(天皇陛下)と一緒に敷地内をジョギングしたり、以前は家族三人でテニスをしたり、現在は新型コロナウイルス感染症の感染対策を徹底しつつ、職員とマスクを着用したままバドミントンやバレーボールをしたりする事も御座います。


日々の生活では、緑豊かな所に住んでおりますので、自然には興味が御座います。皇居には、どの様な生き物が生息し、どの様な生態系が広がっているのかという事は、とても気になります。


また国内外の関心事につきましては、近年自然災害が増え、また、その規模も徐々に大きくなってきている事を心配しています。



問三 愛子さまにとって、天皇皇后両陛下はどの様なご両親ですか

 両親は、私の喜びを自分の事の様に喜び、私が困っている時は自分の事の様に悩み、親身に相談に乗ってくれる様な、私がどの様な状況にありましても、一番近くで寄り添ってくれる掛け替えのない有り難い存在で御座います。これまで沢山の愛情を注ぎ育てて下さった事に深く感謝しております。


また両親と話をしておりますと、豊富な知識や経験に驚かされる事が多々御座いまして。また両親の物事に対する考え方や人との接し方等からは学ぶ事が多く御座います。


続きまして、皇室の一員としての在り方をどの様に学んでいるか、という事で御座いますけれども、私は幼い頃から天皇皇后両陛下や上皇上皇后両陛下を始め、皇室の皆様が国民に寄り添われる姿や真摯に御公務に取組まれるお姿を拝見しながら育ちました。


その様な中で上皇陛下が折に触れておっしゃっていて、天皇陛下にも受け継がれている皇室は、国民の幸福を常に願い、国民と苦楽を共にしながら務めを果たす、という事が基本であり、最も大切にすべき精神であると私は認識しております。


「国民と苦楽を共にする」という事の一つには、皇室の皆様の御活動を拝見しておりますと、「被災地に心を寄せ続ける」という事である様に思われます。


また皇室の皆様は、歴史であったり、生物であったり、児童文学であったり、様々な福祉活動に携わっていらっしゃったりと、御自身の関心のある分野を深めていらっしゃいます。お一方お一方がそれぞれに専門とされる様な分野をお持ちでいらっしゃって、その深い知識を公的なお仕事にも役立てられている御様子を拝見致しますと、この様な立場で研鑽を積むという事の意義をお示し下さっている様に思います。


その他にも、行事の際等に皇室の皆様にお目に掛かった折には、皆様の御所作や立ち居振る舞いをお側で拝見し、その為さり様をお手本とさせて頂きながら、少しでも皆様に近付く事ができます様、努力したいと思っております。



問四 大学生活について

 私は現在、学習院大学の文学部「日本語日本文学科」に在籍しております。本学科では二年次に日本語日本文学系と日本語教育系の二つのコースに分かれ、私は前者の日本語日本文学系を選択致しました。


日本語日本文学の「日本語学」の方は、日本語のルーツや文法等、日本語に関する基礎的な事柄を幅広く学習しております。一方の「日本文学」につきましては、平安時代から昭和初期に掛けての多様な文学を通して様々な考察を深める授業であったり、紀行文を民俗学的な視点で読む授業等を履修しております。


関心のある分野は、未だ模索中といった所では御座いますが、以前から興味を持っておりました。『源氏物語』等の平安時代の文学作品・物語作品を始め、古典文学には引続き関心を持っております。


この約二年間、新型コロナウイルス感染症の蔓延により多くの学校関係者・先生方や学生さんが、様々な面で不便を感じつつ、試行錯誤しながら学校生活と向き合ってこられているのではないかと思います。私も現在、大学の二年目が終了した所で御座いますが、感染防止の観点から普段は大学には通学せず、全科目をオンラインで受講しております。


最後に私の今後の進路につきましては、現時点ではまだ考えが纏まっておらず、これからの大学生活を通して、知識を広げながら自分の興味を深めていく中で、決めていく事ができればと思います。



問五 ご自身の結婚について

 結婚は、私にとってはまだ先の事の様に感じられ、今まで意識した事は御座いません。理想のお相手については、特別これといったものは御座いませんが、一緒に居てお互いが笑顔になれる様な関係が理想的ではないかと考えております。


自由質問一 困難に直面された時に、両陛下からどんなお支えや言葉があったのか

 具体的にどの様な言葉というのは、ここでは差し控えさせて頂きたいと思うので御座いますけれども、両親は私がどの様な状況にありましても、いつも私の気持ちに寄り添ってくれて、また何か問題に直面した時は、その問題に真剣に向き合ってくれまして。私の意見や考え、気持ちを尊重しつつ、的確なアドバイスをくれた様に思います。


そして両親から貰った大きな愛情や励ましが、その様な時に私の支えとなっておりました。


また、両親にどの様な言葉を伝えたいか、という御質問で御座いますけれども、母(皇后陛下)の「生まれてきてくれて有難う。」という言葉に掛けて、私も「生んでくれて有難う。」と伝えたいと思います。


また、これまで両親には様々な機会を与えて頂いたり、私の成長を愛情を持って温かく見守ってきて頂いていて。そして、そういった両親の生活面で支えてくれている所等にも深く感謝しておりますので、その事についてお礼を伝えたいと思います。


そして「これからもどうかお体を大切に。これからも長く一緒に時間を過ごせます様に。」という言葉も添えたいと思います。以上で御座います。



自由質問二 ウクライナ情勢

 そうで御座いますね。ウクライナ国内で多くの尊い命が失われている事に非常に心を痛めております。


現在の国際情勢は厳しいものが御座いますが、天皇陛下がお誕生日の記者会見の折におっしゃった言葉と同じ言葉をそのままお伝えしたいと思うので、メモを見させて頂きます。お誕生日の御会見では「国と国との間では、様々な緊張関係が今も存在しますが、人と人との交流が国や地域の境界を越えて、お互いを認め合う平和な世界に繋がって欲しいと願っております。」というお考えを示されましたが、私もこのお考えと同じ思いでおります。


今、広島の文集の話もして頂きましたけれども、私は中学三年生の時に広島を訪れ、「原爆ドーム」とそれに併設する「広島平和記念資料館」を訪れましたが、その時に見た目を覆いたくなる程のとても凄惨な光景を今でもはっきりと覚えております。その時に平和の尊さを改めて強く感じまして、私は今でも平和への強い願いを持っております。以上で御座います。



自由質問三 今日の記者会見につき、どの様な事を大切に準備に臨まれたのでしょうか

 一つ一つの御質問、事前に頂いた御質問に対して、なるべく具体的に自分の言葉で自分の思いを皆さんに知って頂ける様に伝えたいと思って準備して参りました。


その準備に当たっては、両親(両陛下)から「もうちょっと、この言い方はこっちの方が良いんじゃないか。」ですとか、そういうアドバイスを頂いたりしました。また天皇陛下や皇后陛下、両親がその記者会見に臨んだ時の体験も踏まえて「こういう風にすると、緊張が少し和らぐよ。」等のアドバイスを貰ったりして、それを今、少し実践できている様な気が致します。


父(天皇陛下)から聞きましたのは、聞いて下さっている皆さんの顔、お一人お一人の顔を見ながら目を合わせつつ、自分の伝え様という気持ちを持って話していくというのが“コツ”だという風に。他にも御座いますけれども、その様な事を色々教えて頂きました。以上で御座います。


写真:宮内庁

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