【人生考察】 令和四年一月三十一日に「昭和大」医学部の准教授等の十名が科学レポート『Reading on a smartphone affects sigh generation, brain activity, and comprehension/Scientific Reports』を公開した。「読解力」案件。
レポートでは、電子機器から読み取る時に「読解力」が低下する事を強調。低下原因は不明。本研究は三十四名の健常・大学生が対象。読書中の「呼吸・脳活動」を同時に測定し、スマホでの読解力低下の原因を調査した。
紙媒体と比較し、スマホで読むと「ため息」が減少。額周辺の脳・前頭前野の「過活動(覚醒)」が促進され、理解力が低下する。スマホの異常な輝度・ブルーライトが過活動原因。スマホの読書は、ため息が減少。通常呼吸には影響しなかった。研究Gは、通常呼吸とため息が視覚環境によって異なる可能性を示唆した。
<スマホ学習の危険性>
呼吸は、認知的負荷・感情(ストレスと不安)の影響を受け、呼吸の深さとリズムが変化。呼吸パターンは、前頭皮質と海馬の機能に影響を及ぼし、記憶の形成に影響を及ぼす。呼吸への注意(連続した浅い呼吸・無呼吸の回避)が記憶能力を高める。ため息の数は、紙媒体の方が多かった。
電気機器から読み取る時の理解力の低下は、「集中力の低下」又は「感覚処理回路の違い」が原因である可能性がある。
一般的に、前頭前野の活動増は、脳が認知的負荷を受けた事を示唆。研究Gは、紙媒体の認知負荷を中程度、スマホを重程度とした。中程度で、ため息(又は深呼吸)を引き起こした可能性があり、前頭前野の脳活動を回復した様に視えるとした。重程度では、ため息を抑制し、前頭前野に過活動を引き起こした可能性があるとした。
=考察=
人生百年時代に大きく貢献するレポートです。学習効果に多大な影響を及ぼすでしょう。学習し続ける者のみが、人生百年時代の安定を勝ち得る事ができます。
学習の基礎は読解力です。読み込める力が強ければ、それだけ学習効果に差を付ける事ができます。少ない時間で多くを学習する為には、スマホ等のデバイスよりも本等の紙媒体が効果的であり、数十年間の蓄積の差は甚大になるでしょう。
注意すべきは社会人だけでなく、児童・生徒もデバイス授業になっている点です。紙媒体で学んだ世代と比べ、現在の世代は小中高の基礎的学習に穴が開き易く、社会人に成る前に圧倒的な差異が生まれる可能性があります。紙の教科書とノートで学習した児童・生徒が優位性を保てるでしょう。
命運分かつ酸素量
且つ、今回の研究では呼吸にも触れています。これは酸素量(換気量)を意味します。運動での無呼吸には限界がある様に、脳も無呼吸では限界があります。最適な酸素を適宜、採り入れる身体造りが運動効果と学習効果を高めます。
呼吸の面では心肺機能・横隔膜・姿勢が、学習効果の優位性を構築できるでしょう。これは人生で上位に成れる事を意味します。人間社会では必ず上・中・下が存在します。劣化している親の教育及びデジタル教育下では、一度、下位に落ちると人生百年時代に浮上する事は難しいでしょう。
現状では、教育格差は間違いなく更に拡大します。
記事:京泰正法
画像:Reading on a smartphone affects sigh generation, brain activity, and comprehension/Motoyasu Honma, Yuri Masaoka, Natsuko Iizuka, Sayaka Wada, Sawa Kamimura, Akira Yoshikawa, Rika Moriya, Shotaro Kamijo & Masahiko Izumizaki
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