三権の長、年頭所感

【政治報道】 平成三十年一月一日に三権(司法・立法・行政)の長は年頭所感を発表した。


 司法府の長である寺田逸郎(戊子)最高裁判所長官は、東日本大震災の復興や自然災害から触れて「人々の生活や経済活動の基盤に対する信頼を揺るがす出来事が後を絶たず、社会の安定を持続的に確保していくことの難しさを感じます。」と始めた。裁判所が変化対応しながら使命「法の支配の実現」を果たす事を挙げ、職務に取組む姿勢を説いた。

民事事件において裁判官に対しては、審級を超えた意見交換等の取組みの趣旨の充分な理解と実践を必要とした。民事訴訟法では争点中心型の充実した審理定着に至ってない点を危惧し、より良い手法の不断な追求を欲した。

刑事事件において裁判員制度の安定運用に心強いとしたが、公判前整理手続期間の再長期化等を気に掛けた。改正『刑事訴訟法』等では施行予定の「証拠収集等への協力」「訴追に関する合意制度」「被疑者国選弁護の対象事件拡大」等へ準備の必要性を訴えた。

最後に裁判所の人材育成や「アジア太平洋最高裁判所長官会議」における意見交換、「国際知財司法シンポジウム二〇一七」での議論、そして明治維新百五十年を挙げて先輩の思いを振返り、国民の期待に応える旨を伝えた。



 立法府の長の一人、伊達忠一(己卯)参議院議長は昨年が参議院創設七十周年であった点より始め、国会議事堂の特別参観に計一万四千人超が来た事を伝えた。続いて自然災害、外交関係とグローバル化の課題を挙げ、参議院議員の任期六年の特性を活かし、「良識の府」として使命を果たしていく。そして六年振りに昨年に設置した「参議院改革協議会」を以っての活発な議論を期待した。


他方、大島理森(丙戌)衆議院議長は皇室弥栄と我国の益々の発展から祈念した。陛下譲位につき、立法府からの経緯を説明した。この機に歴史を学び、新元号の準備に係る。続いて一票の較差について触れ、先の総選挙が二倍以下になった点を強調。世界情勢に対しは、平和憲法の我国が世界平和に貢献する事が求められているとした。様々な機会で立法府は諸外国との相互理解や友好親善に更に尽力する。



 行政府の長である安倍晋三(甲午)内閣総理大臣は明治維新百五十年から始め、岩倉使節団に加わった津田梅子の言葉を記した。日本人女性の可能性を開花させた点を強調した。百五十年前の新たな国創りは欧米による植民地支配の波と共に始まった事を伝え、一人ひとりの日本人の力を以って国難を打破した事を訴えた。五年前の悲観論からアベノミクスにより様々な数値が好転した事実を並べ、「未来は、私たちの手で、変えることができるのです。」と、未来は日本人の志と熱意に掛かっているとした。

全世代型への社会保障改革を宣言し、本年を「実行の一年」に据え、総選挙で約束した政策を実行していく。安倍内閣は国民と手を携えて改革を力強く進めていく事を決意した。


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