若者・若手向け|信用とは何か?円の信認とは何か?

【経済・人生考察】 本来、義務教育の内に教科書で教えるべきは、経済における『信用』でしょう。信用無くば、生活は不自由します。信用が上がれば、生活は上がっていきます(自由度が高まる)。


日本を含む世界の土台は「資本主義」なので、資本主義経済における信用を考察します。


個人でも企業でも国家でも、「信用=生産」に尽きます。あまり生産しない者は、信用を無くします。多くを生産する者は、信用が向上していくものです。身近なものだとクレカがあります。とある信販会社が代わって支払いをし、契約者は後から信販会社へ支払いをする。クレジットの意味には信用を含みます。




<信用される方法>

 何故、とある信販会社は契約者に代わって支払ってくれるのでしょうか?それは、事前審査で「契約者が一程度の生産をしている」と判断したからです。この生産とは所得の事。GDPを見れば分かる通り、生産(付加価値)=分配(所得)=支出(需要)の三面等価。複式簿記の話です。


信販会社は、所得が多い者=多く生産している者と契約がしたいのです。


マイホーム購入等では頭金を要求されますが、これは契約者が「過去にしっかりと生産し、現預金(資産)を確保(構築)しているか」の算定基準でもあります。詰まり、幾ら生産(所得)が多くとも、散財していては分割払いができませんので、契約に難色を示すでしょう。


ここまでで、信用=生産である事を理解できたのではないでしょうか。株式市場も同じで、上場企業の代取が決算で記者会見を行い、予定していた計画に対し、「どれだけ達成したか」「今後も成長するか」等を株主がチェック。信用できれば株券を買い、信用できなければ株券を売る。これも上場企業の生産の問題です。



信用=約束

 昨今のクラウドファンディング(CF)も同じ信用です。恐らく感付いてきていると思いますが、信用=生産の大本は『約束』なのです。金融では「約束手形」があります。政治では「公約」があります。自身が約束し、相手方が納得して契約をする。そして守る。この繰り返しが『信用醸成』。


醸成した信用(年間生産額+過去の生産からの資産)を使って、お金を借りるのが『信用創造』。


約束を守らない。言った事をやらない。バックレる。こういった者は信用されません。小中学生の友達同士でも変わらないでしょう。ですので、経済においては『信用=約束(した生産)』となります。




<円の信認>

 これを国に置き換えると、「円(通貨)の信認」の問題がクリアになります。歴史が証明している通り、社会主義国家は貧困化します(下部動画を参照)。賃金が一定の為、結果的に国民が働かなくなるからです。これは生産が少なくなる、ないし生産しなくなる事を意味します。


生産しない国家は、先のクレカの例で分かる通り、他国から信用されません。現代では、その他国の判断基準が「税収」となります。その国の国民が働いているか、否か。だから財務省は税収にうるさいのです。「税収がしっかりと有る」という事は、日本円(日本人の労働)が信用・信認されますので、円の価値を損ない難いのです。


ただ、日本の現状は税負担が大きいので、持続可能性に疑問が付いています。よって、円安となっています(ここでは各政府の為替介入・戦略を除く)。では、安定した税収を得る為には、どうしたら良いのか?それは、財政を拡張し、政府がお金をバラ撒く事に他なりません。一定の貯蓄後に経済が回り始め、税収が上がります。



約束を守る度合い

 日本は何故、他国よりも信用されているのでしょうか。GDP世界第三位、という事は「世界で三番目に日本人が信用されている」という事にもなりますね。世界は日本人を「世界で三番目に約束を守る」と見ています。お気付きの様に残念ながら、現在の日本人は、アメリカ人よりも中国人よりも約束を守らない、と見做されているのも現実です。


最後に個人の話に戻しますと、現在の若者・若手がそうですが、「言った事を守れなかったら、どうしよう。」と恐れていても、来永劫に信用されません。中堅は、そもそも生産性が低過ぎて、信用されていませんね。自ら約束して守った者だけ、信用が膨れ上がっていく。所謂、高所得者・富裕層は、こうやって信用醸成し、信用創造し、自由を勝ち取っていっています。


日本の高度経済成長等を創った戦前・戦中世代は、単純に約束を守る世代だった、と言えるでしょう。本稿を子どもの頃から知っていれば、あなたの人生は変わっていたかも知れません。



誠実さ

 ここに世界最大級のコンサルファーム「PwC」による令和三十二(二〇五〇)年のGDPランクの予測を貼ります。GDPランクは生産ランク=信用ランク、そして約束ランク。これは"誠実さ”そのもの。一番、世界で約束を守るのは中国、次いでインド、米国、インドネシア、ブラジル、ロシア、メキシコと見做されています。そして日本。


そう、このままの日本では、どんどん約束を守らない嘘吐きが増え、約束自体をしない為にGDPが他国の成長率に対し、下がり続けます。中国に抜かれている段階で、人として誠実さで負けているのです。


誠実な日本人が増え、約束を守る国に戻った時のみ、未来はあります。若者・若手は信用醸成、信用創造していきましょう。これこそが自己の利益の最大化なのです(全体最適>部分最適)。他人の迷惑を顧みない「部分最適の自己利益の最大化」は短期的であり、実は最大化となりません。長期的に、真の自己利益の最大化を求めていく事が良いでしょう。


その為の信用・生産・約束。そして誠実さです。 


0コメント

  • 1000 / 1000