日本の本来の死生観

【人生考察】 日本の宗教は神道と仏教である。人の死に直面した際に、宗教があるか否かで心持ち等が変わってくる。神式と仏式で葬儀も趣が異なる。


以下は一般例。

  • 神道:御霊の御平安をお祈り致します。;通夜祭・遷霊祭、葬場祭
  • 仏教:故人様の御冥福をお祈り申し上げます。;通夜、葬儀・告別式



目的

  • 神道:「守護神」として祀る;子孫繁栄を見守る
  • 仏教:「成仏」「輪廻転生」を手助けする;御仏(霊山浄土等)へ送る

※仏教は宗派により異なる



神道・仏教で略一致する共通点。

  • 神棚封じ(帰幽奉告);五十日祭をもって忌明け
  • 法要(追善供養);四十九日をもって忌明け


神道・仏教共に、四十九日・五十日の二ヶ月未満が境目となる。神道では忌明けより守護神と成り、仏教では忌明けより仏と成るか、輪廻の道を歩む。



<一心同体>

 現在の日本の死生観は、自国の宗教を学ばなくなってしまった為、「唯物論」である。肉体の消失で故人の終わりと見做している。二千六百年を誇る日本の本来の死生観は異なる。死後に神と成るか、仏と成るか。将又(ハタマタ)、生まれ変わるか。


神道の神社は分かり易いであろう。人が神と成り、現在でも参拝されている(例「明治神宮」「亀戸天神」)。仏教の仏閣では、その宗派の主とする仏に帰依する為、「大日如来」等の仏閣へ参拝する。


共通項は、四十九日後の故人との一心同体である。



日本神道の最高司祭『天皇家』

 陛下は御即位の際に、皇居「東御苑」内に造営された『大嘗宮(悠紀殿・主基殿等)』にてお籠りになられた。超長時間に亘るこの儀式には、巫女が一人しか付いてないという。詳細不明。この天皇家最高儀式にて、御霊と成られた歴代百二十四代の天皇と一心同体化(御融合)なされた


戦後、GHQが神仏教育を勝手に排除する前の戦中までは、日本人が知っていた事なので、昭和天皇は“現人神”と呼ばれた。天照大御神を下す。


斯様にして天皇家は、霊的「御霊」及び物的「Y染色体」の両DNAを二千六百年間も引継いできた。



生きる者の為すべき事

 問題は霊力が物的「Y染色体」が異なる女系天皇でも引継げる点であろう。事実、神社への昇殿は、DNAに関係が無く誰でも可能である。


詰まり、死後の一心同体は神道でも仏教でも説いている事になる(仏教はそもそも仏に帰依するもの)。御霊・御仏のお裾分けはあり、その配分は受くる者により、比率が異なるものと思われる。


要は命日より四十九日。神仏と成った故人を下し、宿し、その者と共に生きる事こそが、本来の日本の死生観と云える。


記す者:金剛正臣

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