【政治・経済・財政報道】 岸田総理(丁酉)は、令和四年七月二十九日に第十回『経済財政諮問会議』を開催(既報)。同五年度の当初予算の全体像を指し示した。スライドは民間議員提出物。
本年度の実質成長率=二.〇㌫を実現するべく、景気持ち直しの動きを持続させ、民需主導の持続的な回復を実現させたい。
『経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)二〇二二』と「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」を実現する為の「総合的な対応策」及び五年度予算によって、中長期試算で示す「成長実現ケース」が描く成長経路の実現に向けた取組みを進める。
<五年度予算編成に向けて>
同五年度予算編成に当たっては、『骨太方針(二〇二一及び二〇二二』に基づき、経済・財政一体改革を着実に推進する。但し、重要な政策の選択肢を狭める事があってはならない。
コロナ禍の各種支援措置は、見直しと正常化を図っていく。新たな「中期防衛力 整備計画」の初年度に係る施策や少子化対策・子ども政策、GX投資等の重要政策は、予算編成過程において検討する。
特に「重点分野への投資」は、予算の“単年度主義”の弊害を是正し、各種措置(予算・税制・財政投融資・規制改革)を呼び水にし、民間投資を活性化する為の仕組み・制度改革を具体化する。
民間活力の最大活用(インセンティブ改革・公的部門の産業化・PPP・PFI・共助)等の取組みを抜本強化。EBPM(証拠に基づく政策立案)の手法を前提としたPDCAの取組みを推進する。
国債発行は「新型コロナ対応で短期化した平均償還年限を是正しつつ、市場のニーズを踏まえたもの」とする。
マクロ経済財政
- 当面のエネ・食料価格高騰による物価上昇・家計負担増大への対応、エネ・食料の需要面・供給面における構造的対応
- ジャンプスタートの為の「総合的な対応策」の効果の最大発揮、「成長と分配の好循環」の早期の実現
- 安定成長経路の下での財政健全化;内外の厳しい環境変化を踏まえた中長期の視点に立った持続可能な経済財政運営
重点分野への投資促進等
- 新しい資本主義に向けた重点分野(人・科学技術イノベ・スタートアップ・GX・DX)への計画的で大胆な重点投資
- 人への投資;働く意思を有する幅広い人を対象とする、有業・無業、雇用形態を問わない、個人のスキルアップ投資の支援と積極的労働市場政策の強化、円滑な労働移動の促進
- 子ども・子育て;予想を上回る少子化を踏まえ、十分なエビデンスを有する集中的且つ抜本的な少子化対策の検討
- 科学技術イノベと防衛費;スタートアップを含め、国内防衛生産・技術基盤の維持・強化、「総合科学技術イノベ会議」等との連携強化、「デュアル・ユース(民生・軍事両用)技術」の活用等
- GX:百五十兆円/十年の官民投資を実現する為の高い予見可能性を有する仕組みづくり。「サステナブル ファイナンス市場」の拡大に向けた分野横断的な取組み
- 環境変化への対応;外交安保、経済安保、エネ安保、食料安保等の強化。防災・減災、国土強靱化の推進等
歳出改革・ワイズスペンディングの推進
社会保障
- 医療・介護・住まいの一体的な検討・改革等地域共生社会づくりの推進
- 「マイナカード」の保険証利用、マイナポータルの利活用拡大、マイナンバの利活用の徹底的な拡大を通じた医療・介護を始めとする公的給付のDX
- セルフメディケーションの推進、ヘルスリテラシの向上、インセンティブ付け等を通じた、予防・重症化予防・健康づくりの推進。利用者負担見直しを含む「介護保険」の持続性確保
- 給付と負担のバランスの確保、現役世代の負担上昇の抑制、マイナンバの利活用、後期高齢者医療制度の保険料賦課限度額の引上げを含む「保険料負担」の在り方等、各種保険制度における能力に応じた負担の在り方等の総合的な検討
非・社会保障
- 新型コロナ対策として行われた国から地方への財政移転についての成果と課題の早期検証
- 社会課題の解決の為の共助社会づくり、社会的起業家の支援強化、NPO法人の活動促進に向けた環境整備
- 新技術の導入促進等による予防保全型メンテナンスへの転換と財源確保。「予算単年度主義」の弊害を是正し、公共事業執行の平準化による支出の効率化
- 新たなアクションプランに基づいたPPP・PFIの自律的展開の為の基盤形成、スタジアム・アリーナ等へのコンセッション導入、インフラの維持管理・更新での活用対象の拡大
- 学びの基盤的な環境整備、大学への財政支援の配分のメリハリ強化等による教育及び研究開発の質及び生産性の向上
スライド:資料3-2 令和5年度の予算の全体像(参考資料)(有識者議員提出資料)/内閣府
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