【政治・軍事報道】 ウラジーミル・プーチン(壬辰)露統領は、令和四年八月五日に露・ソチにてレジェップ・エルドアン(甲午)土統領と四時間に亘る会談を行った。会談後に共同声明を発表し、二国間関係を更に発展させる意向を再確認。貿易拡大で合意した。
経済・エネが中心。輸送・貿易・農業・産業・金融・観光・建設を含む。事実上の露土「経済同盟」とも言える。
露モスクワと土アンカラの両首都では、ガスを自国通貨で支払う事に同意(段階的な移行開始)。最初の供給の一部はルーブル払いとなる。トルコ共和国は「北大西洋条約機構(NATO)」の加盟国であるが、報道現在でインド(首相:ナレンドラ・モディ)や中国(主席:習近平)等と同様に露制裁に加わっていない。
<米英vs中露>
四月に「連合国(国連)総会」は、ロシア連邦の『人権理事会(四十七ヵ国)』メンバ資格を停止する決議案を採択。百九十三ヵ国中、九十三ヵ国の賛成で過半未満で採択。反対は二十四ヵ国、棄権が五十八ヵ国、無投票は十八ヵ国(九.三㌫)と非・賛成は百ヵ国で、過半となっていた。
日本国内の報道では分かり難いが、世界は二分されていると言っても過言ではない。米英サイドと中露サイドだ。日仏は米英サイドだが、世界の過半ではない。西アジアやアフリカ、南米の一部等は中露サイドとも言える。インドやフィリピン(統領:ボンボン・マルコス)等は中立だ。
露土は七月十九日にイラン・イスラム共和国(旧・ペルシア、統領:エブラーヒーム・ライースィー)を交え、三者会談を実施。露イランは「エネ・産業・輸送」の協力強化を注視。プーチン露統領は、直近六ヶ月間で露イラン間の貿易の四割増を強調していた。
鍵を握る三ヵ国
「二〇二二 ミリタリStrengthランク/Global Firepower」で露は二位、中は三位、エジプト・アラブ共和国(埃、統領:アブドルファッターフ・アッ=シーシー)は十二位、土は十三位、イランが十四位。露エジプトでは、七月二十四日に「食糧供給・石油ガス」における二国間協力について協議。露はエジプトからの穀物輸入の全要請に応じる約束を発表していた。二月にシーシ埃統領が「ロシアはエジプトにとって様々な分野で重要なパートナ。」と明言していた。
上図の様に露が手を結ぶ三ヵ国は、人口オーナスのG7(米を除く)とは異なり、高齢化社会とは程遠い。イランは怪しい点があるものの、若い国に変わりはない。上地図から分かる通り、三ヵ国は地政学的にも米英仏対抗の西の主要国だ。リビアも含む。東が中国・北朝鮮(最高指導者:金正恩)。
大正三(一九一四)年に英仏露が仕掛けた『第一次大戦』時では、「オスマン帝国(現トルコ・エジプト・リビア)」として対峙。昭和十四(一九三九)年に米英ソが仕掛けた『第二次大戦』では、土は中立宣言し、末期のみ参戦。当時のエジプトは英領。イランも中立宣言していたが、英ソに侵攻された。
G20が動かす未来
日本では余り重要報道されてないが、米英仏の大戦の歴史において三ヵ国は、重要地域である事が分かる。経済制裁に協力しないアフリカも英仏等による長い植民地時代を経験しており、G7を含む集合体とも言える「G20(旧G8+EU+新興十一ヵ国)」が今後の世界情勢へ大いに携わってくる。米英側が言う「中東」は西アジアと北東アジアの事。
令和時代の戦争は「情報」「経済」「軍事」の三類型。この三類型に属する者を軍人と言う。軍とは「戦争の為の兵の集団/岩波国語辞典 第七版新版」。プーチン露統領は元KGB(ソ連「国家保安委」)なので、令和時代の分類では軍人となる。エジプト統領は、エジプト軍「軍事情報庁」の元長官で軍人。
令和時代には、長く続いた米英先導の時代に幕が下りようとしている。植民地時代があった東南アジアも含め、非・米英が着実に力を伸ばしていく。日本の若者・若手は米英一辺倒で良いとは考えてないだろう。以下が、新興十一ヵ国。
- 中国;東アジア
- 韓国;同
- インドネシア;東南アジア
- 豪州;オセアニア
- インド;南アジア
- サウジアラビア;西アジア(中東)
- トルコ;同(中東)
- 南アフリカ;アフリカ
- メキシコ;中米
- ブラジル;南米
- アルゼンチン;同
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