【社会報道】 平成三十年二月二十日に東京都(知事:小池百合子)は、都庁にて『小池知事と語る東京フォーラム「結婚について知事と語ろう!」』を開催した。このフォーラムの模様は都の公式YTチャンネル「東京動画」でライブ配信。二十五日には都が提供するテレビ番組「東京クラッソ!NNEO/TOKYO MX」で放送予定。
都は誰もが希望をもち、生き生きと暮らせる社会の実現に向けて様々な取組みを実施している。その一環として今回のフォーラムでは、結婚を望む参加者と一緒に「結婚について」考えた。子息、子女の父母だろうか、シニアの姿も散見。百合子都知事(壬辰)を筆頭に結婚サービスを展開するIBJの石坂茂 代取、「中央大」文学部の山田昌弘 教授、「品川女学院」の漆紫穂子 理事長、独身代表として安田大サーカスのクロちゃん(丙辰)、神スイングで話題になったグラビアモデルの稲村亜美(丙子)とコーディネータの関根勤(癸巳)の計七名が登壇した。
<求められる妻、母への手厚いサポート>
都民は結婚したくとも、結婚できない状況だ。都民の生涯未婚率は全国で男性が三位、女性は一位と女性が最も結婚できない自治体に。都知事は「結婚したい人の後押ししていきたい。」とコメント。都は昨年に都庁で第一生命保険(代取:渡邉光一郎)と協力し、婚活パーティを開いた。都庁の南展望室では結婚式も行える。
昨年から開始した島嶼地域を活用した「縁結び観光プロジェクト(対象;二十代から四十代の未婚男女)」や水上バスを用いた婚活イベントを民間企業と協力して実施。三月十七日には東京さくらトラムを用いた婚活イベント(対象;二十歳から四十五歳までの男女)を開く。都知事は「婚活と同時に東京観光をして頂ければ。」と参加を促した。
子育てしながら働く事ができる都にしたい。新たなサービスとして、manma(代取:新居日南恵)は結婚後のリアルな生活を体験できる「家族留学」というサービスを現役の女子大学院生が考案。大学生を中心とする若者が、結婚生活を送る家庭に留学する。実際の子育て体験や家事を実際に体験する事で自身の未来をイメージできる。苦難の乗り越え方や育児のコツを教わる事が可能だ。将来への不安を解消でき、参加者や受入れ家庭も増えている。
若手は結婚を人生最大のデメリットと見做す
最後は質疑応答。十六歳の男子高校生や女子大生、カップル、三十六歳の独身女性の質問に答えた。女子大生は都知事へ「学生の頃に持っていた結婚観から、政治家としてどの様に変わっていったか。」と聞いた。都知事は「私、実は学生結婚してたんですよ。」と会場を驚かせた。「お別れした後、社会の仕事に没頭してる最中。仕事が楽しかった。働いていても女性が子育てできる様にしたい。」と返答。また、カップルには「結婚前提で住むのに都知事お勧めの場所って有りますか。」と聞いた。「島、良いですよ。お勧めです。」と答えた。未婚女性には「私、練馬区なら応援行きますよ。」と、勇気付ける一面も。
和やかで温かな雰囲気で行われた同フォーラム。自治体の活動を知る事で、一人で抱えている結婚等の悩みが解決に向かうかもしれない。しかし結婚に踏み切れない根底の問題である「将来の所得不安(仕事、子育て)」「男女間のコミュニケーション障害(異なる価値観への許容力低下、言語能力)」「離婚後の損害賠償リスク(婚姻デメリットの増加)」を行政だけでは払拭できないであろう。社会の先輩が婚姻のメリットを指し示さない限り、少子化は尚、進行する。
撮影記事:岡本早百合
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