【政治・ビジネス報道】 岸田総理(丁酉)は、令和四年十月四日に第十回『新しい資本主義実現会議』を開催(既報)。民間の各委員は資料を提出した。
渋沢栄一(庚子)の玄孫である「シブサワ・アンド・カンパニー」渋澤健(辛丑)代取は、「資産所得倍増計画」について未成年者へのNISA解禁を提唱。手続き面では、マイナンバ提出だけで口座開設できる優遇措置も求めた(投資信託の積み立て口座に限る)。
「中間層の資産形成支援」では、英MaPSを参考にした公的法人の設立の検討やファイナンシャルプランナ(FP)を当該公的法人へ属する事等を提唱した。
<スタートアップと労働市場>
経済学者の「東大」柳川範之(癸卯)教授は、スタートアップについて「単に創業に際して金銭的支援があるだけではなく、成⾧や追加投資の機会がしっかりと得られる環境整備が必要。政府が全て整備・支援をしていくというスタンスではなく、新たなエコシステムが出来上がる環境整備を政府が支援するスタンスが重要。」と指摘した。
「連合」芳野友子(丙午)会長は、日本の課題の一つに「企業横断的な職業能力 評価基準(社会的指標)」が殆ど整備されてない点を挙げた。併せて“日本に合った職務給”につき、「何か不明である。」と手厳しい。能力・スキルを向上させる仕組みや支援策を充実させるべき、と。
またフリーランスにつき、『フリーランス新法』だけでは不十分と。経営者の個人保証につき、未払賃金等の労働債権回収を例に「不要とする考え方は、融資した金融機関の被害を極大化しない為のものであり、安易な倒産を防ぐ為のものではない。」と否定的な見解を示した。
日本のスタートアップ環境の問題点
「パナソニック」冨山和彦(庚子)外取は、「労働者保護」につき、北欧型の積極的雇用政策へ急ぎシフトすべきと提唱(社会共助と外部労働市場機能が軸)。これは、経済的な補償責任強化によって個別企業の雇用維持責任を緩和し、「不当解雇規制」も労働者が復職か転職(金銭的救済)かを中立的に選べる様にする事。
また、新しいスタートアップ型の資本主義実現の課題に「公正な競争条件(レベルプレイングフィールド、LPF)」の確立を挙げた。北欧バルト七ヶ国では、昨年に十三件、本年は八月までで既に十一件の新たなユニコーンが誕生。「経済規模も、人口も、研究機関数も、遥かに日本より小さいこれらの国で、何故これだけ多くのユニコーンが生まれるのか?」と問い掛けた。
北欧やイスラエルは、米シリコンバレー等に劣後しないLPFが色々な意味で整っており、世界一流のスタートアップ人材と世界一流のスタートアップ投資マネー(VC・企業・機関投資家)が流れ込むから、全てが桁違いになると指摘。
この差は税制・会社法・金商法・労働規制・契約慣行・IPO慣行等がガラパゴス化?と揶揄。よって、LPFを全力全速で整備構築(比較・点検)すべし、とした。
「ダイヤ精機」諏訪貴子(辛亥)代取は、中小企業の自己変革への後押しとして、「事業再構築 補助金」や「生産性革命 推進事業」の延長(複数年度)や「デジタル化 伴走支援(導入~実装)」、中小企業支援に従業員の「リスキリング(資格取得を含む)」する場合の組入れを求めた。
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