【政治・経済・軍事報道】 岸田総理(丁酉)は、令和四年十一月十二日にカンボジア・プノンペンにて第二十五回『日ASEAN首脳会議(議長:フン・セン柬首相)』へ出席した。
東南アジア諸国連合:インドネシア、タイ、シンガポール、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオス、ブルネイ(GDP順);六億人以上、総GDP=二.四兆㌦の経済圏、GDP成長率=五㌫前後/年、平均年齢=三十歳未満
一時間に亘る会議の開始前後で、各国首脳が岸田総理へ歩み寄り、日本のAS貢献への謝意等が確認された模様。岸田総理は外務大臣の頃より東南アジアを重視している(在任:平成二十四年~二十九年)。
岸田総理は、「日AS友好協力 五十周年」となる明年十二月を目途に東京にて「特別首脳会議」を開催したい旨を伝えた。AS各国の考えや関心を聴きたい。これに対し、多くの国々が発言の中で支持を表明。セン議長は、各国首脳が日本の提案を受容した事に謝意を表明した。明年は通常の日AS首脳会議に加え、特別首脳会議を開催する事となった。
<日ASEAN協力>
岸田総理は、日本の「AS包括的復興枠組」への支持の一環として、総額二千九百五十億円の「財政支援円借款」を供与している旨を紹介し、これからも持続可能な成長を支援していく意向を表明。併せて「AS感染症対策センタ」を引続き支援していく(日本の専門家の派遣を含む)。
FOIPの本質的原則を共有する「ASアウトルック(AOIP)」につき、岸田総理は以下に於ける日本の協力を伝えた。
- 日本はAOIP支持を逸早く表明;令和二年「日AS首脳共同声明」以来、具体的な協力案件数は計八十九件
- 経済協力の強化;「海上交通安全等の海洋協力」、「質の高いインフラ投資等の連結性支援」、「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを始めとした保健・気候変動対策・防災」、「サプライチェーン強靱化・デジタル技術・食料安保の強化」
- 「アジア・ゼロエミッション共同体構想」の実現
AS各国からは、各種取組みやAS感染症対策センタの設立支援等につき、高い評価と謝意が表明された。引続きの緊密な協力への強い期待も表明された。これを受けて岸田総理は、日AS協力の重要性について各国と見解を共有している事が確認でき、心強い旨を伝えた。
<地域・国際情勢>
岸田総理は、地域・国際情勢について日ASは「多くの点で考えを共有している。」とし、以下の通り発言した。
- ミャンマー:情勢に深刻な懸念を表明。ASの取組みを引続き後押し。日本はミャンマーへ、事態打開に向けた「五つのコンセンサス」の早期履行を直接に強く求めていく
- ロシア:ウクライナ侵略や違法な「併合」は、ウクライナの主権及び領土一体性を侵害し、連合国憲章を始めとする国際法に違反する行為である事に触れた。「力による一方的な現状変更」の試みは、世界中の何処であっても決して認められない旨を強調。また、ロシアの核兵器による威嚇は断じて受容できず、核使用はあってはならない旨も強調。国際社会全体として明確なメッセージを発していきたいと訴えた
- 中国(東シナ海・南シナ海等):「力による一方的な現状変更」の試みや経済的威圧への深刻な懸念を表明。また「台湾海峡」の平和と安定の重要性を指摘し、AS側が最大限の自制を求めた事を評価。複数の国から、南シナ海における航行・上空飛行の自由の重要性、国連海洋法条約を始めとする国際法の尊重の重要性等について発言があった
- 北朝鮮:高頻度の「弾道ミサイル」発射につき、国際社会に対する明白、且つ深刻な挑戦であり、到底看過できない。北朝鮮の全ての非核化実現に向け、国際社会が一体となり、安保理決議を完全に履行する事が不可欠。「拉致問題」の即時解決に向け、各国へ引続き理解と協力を求めた。複数の国からも、北朝鮮による弾道ミサイル発射へ懸念表明。朝鮮半島の非核化及び安保理決議の遵守の重要性や拉致問題の即時解決への支持が表明された
岸田総理は、日AS五十周年を「“輝かしい友好関係(Golden Friendship)”を示す絶好の機会(Golden Opportunity)にしたい。」と述べた。日本が今後も東南アジアにて、米中韓よりもリーダシップを執れるか否かは若き日本臣民次第。
写真:総理大臣官邸
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