氷河期・若手映画Pが語る「プロデューサの仕事と苦労」|TIFF2022

【芸術考察】 令和四年十月二十八日に東京・有楽町にて映画プロデューサ・山本晃久(辛酉)を招き、『特別セッション〜映画プロデューサの仕事とは〜』が東京国際映画祭内で行われた。モデレータは同映画祭プログラミング・ディレクタの市山尚三(癸卯)。


山本Pは平成十五年「日本映画学校」卒。映画「ドライブ・マイ・カー(二〇二一)」にて、日本人映画プロデューサとして初めて米「アカデミー作品賞」にノミネートされた。報道現在で「ウォルト・ディズニー・ジャパン」に所属。氷河期世代・後期。


セッションでは、本作についての撮影秘話や苦労した点について語った。QAでハイムは金銭面でのプロデューサの苦労を問うた。「人件費はちゃんと確保しなくてはいけない。人が居てなんぼだし、食べていけないって、そもそも作ってる意味無いじゃないですか。」と人件費の重要性を強調。


また「予算のバランスに力点を置かなきゃいけない。」と。絶対に必要な費用以外でバジェット管理する。準備と諸々の手配も苦労する要素だ。



<若者へのアドバイス>

 更に、若者が映画を創る際のアドバイスも貰った。「文化庁」の助成金や企画コンペを挙げ、「絶対に面白い、これ売れると思うならプロダクションに持ち込むのも一つの手。」と答えた。「後は自力で(お金を)貯める。」と、映画制作に気合・根性が必要な点を述べていた。


その他の質問でプロデューサとは?を問われ、「まだまだひよっこで、これから考え方が変わるかもしれませんが、監督にとって(Pが)一番の観客だと思うんですよ。


だから、監督が暴走して他の道に逸(ソ)れそうだったら、こっちだと思いますよって、プロジェクトを進めてくのが大事なんじゃないか。映像作品について日々勉強もします。」と、創り上げる中でよく考え、最善の道に進もうとしている様に感じられた。


そして映画プロデューサとしては珍しく、山本Pは現場にも足を運ぶ。現場で何をしているかを問われ、「良い作品が出来る様に“念”を送っています。」とユーモアを交え、会場を和やかな雰囲気にした。


撮影記事:岡本早百合

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