皇后陛下、五十九歳のお誕生日に際してのご感想

【日本報道】 皇后陛下(癸卯)は、皇紀二六八二(令和四)年十二月八日に『お誕生日に際してのご感想』をお寄せになられた。御年五十九歳になられた。


医師団は引続き御治療を継続。皇后陛下は出来る限り、臣民との触れ合いの機会を確保され様とお努めになられている。報道現在で御快復の途上にあり、「依然として御体調には波がおありです。」と医師団は見解を示した。


 今年もこうして無事に誕生日を迎える事ができます事を有り難く思います。この一年は、コロナ禍かも続く中、国際的な紛争や世界各地での自然災害等が重く圧し掛かり、心が痛む事の多い年であった様に感じます。


世界各地での戦争や紛争により、子どもを含む多くの人の命が失われている事に深い悲しみを覚えます。国際社会において、平和な世界を作っていくという大きな目標に向かって、皆が相手を尊重しつつ力を合わせていく事の大切さを身に沁みて感じております。


水害や地震等の大きな災害も起きており、パキスタンでは、夏の期間の豪雨により国土の約三分の一が水に浸かり、全人口の約十五㌫に当たる三千三百万人が被災したと聞きます。洪水や干魃(カンバツ)による被害は、他のアジアの国々やオーストラリア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ等、世界各地で起きており、気候変動対策が急がれます。


今後、持続可能な世界を築いていく為には、世界の人々が知恵を出し合い、共に手を取り合って、協力していく事が急務であると感じます。国内でも、地震や大雨、そして台風による災害が今年も起こりました。亡くなられた方々とその御遺族に心からのお悔やみをお伝えすると共に、被害に遭われた方々にお見舞いをお伝え致します。



 英国のエリザベス二世女王陛下が、七十年もの長きに亘る御在位の後、今年九月に崩御された事も残念な事でした。英国国民は素より、世界中の人々が女王陛下の崩御を悼みました。長年に亘って人々を導かれた女王陛下のお心の深さや知性、そして、その御存在の大きさを改めて感じ、心からの敬意と哀悼の気持ちを抱きました。


我が国においては、今年は沖縄復帰五十周年という節目の年になりました。その様な年に、秋の「国民文化祭」及び「全国障害者芸術・文化祭」に際して沖縄県を訪問できた事を嬉しく思うと共に、平和の尊さや大切さを改めて心に深く刻む機会になりました。


コロナ禍の中で、地方への訪問を三年近く行う事ができずにおりましたが、十月に開催された栃木県での「国民体育大会」の折に再開する事ができ、十一月には兵庫県での「全国豊かな海づくり大会」に出席する事ができる等、各地で大勢の方に笑顔で温かく迎えて頂いた事は、想像していた以上に嬉しく、また、有り難い事でした。


一方で、コロナ禍や最近の物価高等により、多くの人々が様々な困難を抱えながら生活している事に心が痛みます。三年近くにも亘って制約のある生活を続けている子ども達への影響も案じられます。


 重苦しい空気の中で過ぎてきた様に感じる今年ですが、先日のサッカーのワールドカップでは、日本中の人々が熱心に応援をする中、日本代表チームが素晴らしい健闘をし、多くの人々に大きな感動や夢と共に、困難に立ち向かう勇気を与え、日本の人々が心を一つにする機会になった事も印象に残る出来事でした。


今回、五十代最後の誕生日を迎えるに当たり振り返ってみますと、私が当時の皇太子殿下との結婚により皇室に入りましたのが平成五年六月九日、ちょうど二十九歳半の時でした。本日の誕生日で、その時から丁度二十九年半になります。いつの間にか人生の丁度半分程を皇室で過ごしてきた事に、感慨を覚えております。


これまでの人生を思い返してみますと、二十九歳半までの前半にも、また、皇室に入りましてからの後半にも、本当に様々な事があり、沢山の喜びの時と共に、時には悲しみの時も経ながら歩んできた事を感じます。そして、上皇上皇后両陛下のお導きを頂きながら、どの様な時にも天皇陛下を始め、多くの方々に私の歩みの一歩一歩を支え、見守って頂いてきた事を思い、心から感謝したいと思います。


来る年が我が国、そして世界の人々にとって、安心のできる、より良い年となります事を願いつつ、これからも国民の皆様の幸せを常に祈りながら、できる限りの務めを果たしていく事ができる様努力したいと思っております。


この機会に、日頃より皆様から寄せて頂いている温かいお気持ちに対し、改めて心からの御礼をお伝えしたいと思います。


御影(ミエイ):宮内庁

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