【芸能報道】 平成三十年四月九日に東京・千駄ヶ谷にて映画『泣き虫しょったんの奇跡/東京テアトル』のヒット祈願イベントが行われた。主演を務めた俳優の松田龍平(癸亥)、ミュージシャン(RADWIMPS)で俳優の野田洋次郎(乙丑)、監督を務めた豊田利晃(己酉)と原作者であるプロ棋士・瀬川晶司(庚戌)が将棋の神様が祭られる「鳩森八幡神社」の将棋堂にて祈願を行った。
この場所でヒット祈願が行なわれるのは将棋映画としては今回が初めて。本作は瀬川棋士の自伝的小説が原作。「二十六歳の誕生日を迎える迄に四段昇格できない者は退会」という新進棋士奨励会の規定により、一度は夢破れた“しょったん”こと瀬川棋士が、周囲に支えられながら再び夢を実現させる為にひたむきに挑戦していく感動の実話。主人公・瀬川棋士を松田が演じた。
松田は「素晴らしい映画になりました。映画の神様が降りたというか。将棋の神様にヒット祈願ができて良かったです」とコメント。豊田監督作品において松田が単独主演を務めたのは、映画「青い春(二〇〇一)/ゼアリズエンタープライズ」以来で十六年振り。松田は「楽しみでした。『青い春』から、これだけ主演ができなかったから、次は何時になるか分からない。そういう意味でも気合いが入りました。」と笑みを見せた。撮影を振返り「結構きつかった。」と零した。
「瀬川さんの半生と繋がるものを、自分の中でどこまで出したら良いのか。色々曝け出して、自分を隠す事なくやらせて頂いた。それはそれで大変でした。」と述べた。また将棋監修として撮影に参加した瀬川棋士が「皆さん本当に飲み込みが良くて。」と評すると、野田は「とにかく現場での瀬川さんが楽しそうで。将棋って基本的に孤独な戦い。ミュージシャンも割りと一人の作業になるので、そこが似ていますね、とお話ししました。」と回想。瀬川棋士も「映画は皆なで作り上げていくチームプレイな所が新鮮で楽しかったですね。」と同調した。
豊田監督の十作目となった本作。監督自身も十七歳まで奨励会に在籍してプロを目指していた。豊田監督は「僕は挫折して、将棋を憎んじゃった人間。でも原作を読んだら憎しみが消えて、そういう生き方もあるのかと感動しました。」と心境を伝え、「個人的には同じ青春時代を過ごし、奨励会を挫折した奴に観て欲しい。夢破れた人達に、この作品を届けたいです。」と語った。
瀬川棋士は、「諦めなければ夢は叶う、というのが大きなテーマだけど、実際には色んな人達の支えがあって実現できた。この映画は、一人じゃなくて誰かに支えられている事に気付かせてくれるし、全ての人に観て欲しいけど。特に個人的には小中学生や先生方にも観て頂きたいです。」とメッセージを贈った。
尚、本作は秋に公開される。
=あらすじ=
史上初!奨励会退会からプロ編入という偉業を成し遂げた男の感動の実話。
26歳。それはプロ棋士へのタイムリミット。
小学生のころから将棋一筋で生きてきたしょったんこと瀬川昌司の夢は、年齢制限の壁にぶつかりあっけなく断たれた。将棋と縁を切りサラリーマンとして暮らしていたしょったんは、アマ名人になっていた親友の悠野ら周囲の人々に支えられ、将棋を再開することに。プロを目指すという重圧から解放され、その面白さ、楽しさを改めて痛感する。
「やっぱりプロ棋士になりたいー。」
35歳、しょったんの人生を賭けた二度目の挑戦が始まるー。
=クレジット=
映画『泣き虫しょったんの奇跡』2018年秋公開
監督:豊田利晃(『青い春』『クローズEXPLODE』)
脚本:瀬川晶司『泣き虫しょったんの奇跡』(講談社文庫刊)
出演:松田龍平、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼
製作幹事:WOWOW/VAP
制作:ホリプロ/エフ・プロジェクト
特別協力:公益社団法人日本将棋連盟
配給・宣伝:東京テアトル
©2018『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会
©瀬川晶司/講談社
画像提供:東京テアトル㈱
記事:岡本早百合
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