【経済・財政考察】 二一一常会では、国債『六十年償還ルール』がホットトピックです。その議論の際に出てくるのが『市場の信認』です。この市場の信認とは何でしょうか?
三橋貴明(己酉)中小企業診断士は、動画『「市場の信認」にすがるしかない財務省今こそ緊縮財政を叩き潰せ!』にて市場の信認の定義を「金利です。」としました。例として、日本国債(十年)を挙げました。報道現在で年利回り=〇.五㌫程度。以下の世界と比べると、日本は世界最低水準である事が分かります。
- 米=三.五㌫
- 中=三.三㌫
- 印=七.四㌫程度
- 英=三.三㌫程度
- 独=二.三㌫程度
- 韓=三.三㌫程度
<低知能の財務官僚>
国債は債券ですので、金利が高ければ高い程、リスクが高い事になります。各国の数値を確認しますと、世界で最も市場から信認されているのは日本となります。米中印等は、日本よりも市場から信認されてません。
この結果を、三橋診断士は「日銀がパーフェクトにコントロールしている。」と、黒田日銀の実績としました(イールドカーブ・コントロール=YCC)。これは、金融政策「公開市場操作(買いオペ・売りオペ)」等が生きている証左です。
この経済学を茶谷栄治(癸卯)財務事務次官をトップとする財務官僚達は、分からないのでしょう。知能が低い、としか言いようがありません。そんな低知能の財務官僚達が、この国の財政政策を考えているので、日本は貧困化(政策の失敗を)し続けています。
概算要求を見る限り、文科官僚等の方がよっぽど高知能でしょう。
日本国債の信用
また、動画『財務省の二つの手法「反日カルト的手法」と「悪代官的手法」』にて三橋診断士は、市場の信認の事を「経済力(GDP)」と断じました。前述の国債金利以外のリスク指標には、「CDS」があります。
- CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)」;破綻保険=各国の国債の信用
上図の通り、日本の国債(=財政状況)は、米国並みに市場から信認されています。中韓の方が市場からの信認を落とす事を恐れた方が良いでしょう。「国債金利」と「CDS」より、日本はまだまだ国債発行できそうです。
<中央銀行のオーナー>
そして、そもそも論ですが、市場と言うのは基本的に民間(機関投資家等)で形成されています。そこで「中央銀行(通貨発行権)」のオーナーが誰か?が重要になります。
- (世界三大中銀)日本銀行:日本政府
- (同)FRB:民間銀行等
- (同)欧州中央銀行:名目=欧州各国、実質=民間銀行
- イングランド銀行:名目=英国政府、実質=民間銀行
- 中国人民銀行:名目=中国政府、実質=中国共産党=総書記
- インド準備銀行:インド政府
- ロシア連邦中央銀行:ロシア政府
ポイントは下線部「民間銀行」です。オーナーが中央政府ではなく、民間銀行である場合に市場の信認が第一になるのです。
上場企業で考える
上場企業で考えると簡単でしょう。上場企業の代取が株主の過半を持っている場合は、市場を気にせずに経営できます。反対に、上場企業の代取が株主の過半を持ってない場合は、市場を気にしないといけません。現在の上場企業が、株主の利益追求のみに走らなければならない理由です。
詰まり、オーナーは誰か?です。
日銀は日本政府がオーナー(=国民がオーナー)ですので、気にする相手は日本国民となります。米欧では異なり、市場(機関投資家等)を気にしなければなりません。依って、市場の信認を日本は気にせずとも良い事になります。
日本が気にすべきは経済力(GDP)、特に「GDP成長率」です。確実に成長していく日本で在り続ければ、市場の信認を気にする必要性は全く無い、と言っても過言ではないでしょう。そのGDPの原資が「国債発行(貨幣供給)+各種政策(B2Gや現金給付)」となります。多額の国債発行をして、成長力ある若者・若手へ投資すれば、GDPは上がりますので問題ありません(乗数効果の向上)。
問題は「国債発行させない」、「若者・若手へ投資しない」事です。
きっと財務官僚達は、中国共産党等に買収されて国債発行を邪魔しているか、増税を目論んでいるか、本稿の仕組みを分からないのでしょう。
記事:京秦正法
画像:FPhime、財務次官に茶谷栄治氏…「バラマキ合戦」と経済対策を批判した矢野康治氏の後任/讀賣新聞、主要国のCDS推移(チャートと解説)/ファイナンシャルスター、日本銀行について/日本銀行
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