狙い目のアーリーアダプタがイノベーションを量産する

【ビジネス考察】 日本に不足している者、または日本において潜在的な需要が大きい者、それはアーリーアダプタ(初期採用者)ではないか。ここにビジネスの機会が潜んでいる可能性がある。


第四革命でAIやロボ、ビックデータ等がビジネスを変革する、ないし変革中であるニュースは枚挙に暇がない。政府もイノベーションを起すべく、様々な施策や会合をもつ。経営学の「イノベーション理論」ではイノベーションが普及する段階を五段階に分けている。恐らくSNS全盛の時代においても変わりはないだろう。


イノベーティブな商品・サービスを真っ先に採用するイノベータ(革新者)。新しもの好きともいえる。続いてアーリーアダプタ、アーリーマジョリティ(前期追随者)、レイトマジョリティ(後期追随者)、ラガード(遅滞者)。大企業や政府等がビックデータという過去に対する分析を重んじれば重んじる程に、最大利益を獲得できる二つのマジョリティが採用できる商品・サービスを推す。確実性というものだ。


しかし日本では非常に小さい規模であるが、個人事業主や一研究者レベルで日々、イノベーションは起きている。余りにも小さい為に大メディア等は認識する事ができない。情報過多の時代でも一番最初の採用者であるイノベータは、そのイノベーションを拾って商品・サービスを享受できる。ただイノベータも纏まりつつある。大企業群はマジョリティ、詰まりマスを追い、アーリーアダプタの役割を担ってきた中小企業や自治体が確実性を求めればマスへ流れる。


イノベータが採用する商品・サービスには過去のデータ、ビックデータが存在しないに等しいので確実性が大いに劣る。それは銀行の新規貸出案件数や内容をみれば分かるだろう。イノベーション裏付けがある訳がない。あるのは可能性だ。日本はイノベータ群とマジョリティ群に分かれ、二つを繋ぐ筈のアーリーアダプタが減少し、断絶しているのではないだろうか。


資産において日本上位の創業者達は、イノベーションを市場に投入し、アーリーアダプタを抑えて二つのマジョリティに達した。抑えるべくアーリーアダプタがいなければ、自身(自社)の力でマジョリティにまでリーチを試みる。そして彼らは新たなイノベーションを起すべく、若手の起業家を自社内カンパニ等で育ててはいるものの、根本的なイノベーションには至っていない。


イノベーションとマスであるマジョリティを繋ぐ者、二つを繋ぐ橋渡しであるアーリアダプタ。彼らの仕事はイノベータが採用している商品・サービスを探し出し、アーリーマジョリティに繋げる事。実際は繋げるというよりもアーリマジョリティが認知できる様にする事だ。創業者やイノベータを含めて、その役割を担える者が現在の日本で持続的に稼げるのではないだろうか。


画像引用:イノベーター理論/プロジェクトニッポン

記事:羽田野正法

0コメント

  • 1000 / 1000