富は才能ではなく幸運、一つの科学

【ビジネス コラム】 生まれではなく、才能ではなく、運がビジネスを左右する。米フォーブスは記事『成功を決めるのは「才能」でなく「運」 驚きの研究結果発表』を先月末に配信し、伊・カターニア大の論文をもって最も大きな富を得たのが、最も運が良い人達と主張した。


スキルや能力、知性等の才能の多寡は富の形成に関して相関性が弱い。それは日本においても東大等を出たエリートが富裕層になる訳ではない事で証明している。逆に同研究では幸運と資産に関して相関性があると示す。富は幸運で増大し、不運で減少する。


興味深い点は投資のポートフォリオだ。科学研究を例に均等分配、無作為な小集団分配と成功者への優先分配の三つの内、未来で最も大きな成果を得られるのは、均等分配との結論に達した。過去の成功は運に左右されている、というものだ。だから過去に運で成功したからといって、現在・未来も再度、運で成功できるとは限らない。これは事象、という面でも理解できる。ソフトバンクは当時のビジネス環境だったから上手くいった。ボーダフォン時代には上手くいってない。楽天モバイルは今からだが、運を味方につければ上手くいくかもしれない。


過去の事象は現在・未来の事象とは細部で異なる。上手くいったからといって、同じ事をし続けていても、飛躍しない事と似ている。ビックデータやAI等は過去を参照する。それは飛躍の要素ではなく、確実性の保管でしかない。一般所得から高所得者・富裕層に飛躍する為には幸運というアクセラレータが欠かせない。


日本語には、そのヒントがある。案、因、運、縁、恩。然程、順番は重要ではないだろう。運以外を否定形にしてみよう。「案が出ない、案が無い」「原因を創らない、原因が分からない」「縁を重んじない、縁を省みない」「報恩しない、恩を感じない」。運は良くなるだろうか。


科学ではないが、運は詰まる所、人間性である。マイナス思考のみであれば、マイナス運気となる。だがプラス思考も過半でプラス運気となる。プラスマイナス半々でゼロ運気。勿論、自然現象や場所の問題もあるが、幸運な人は周りが助けをくれる。


と、なれば所得較差でさえも運の問題となる。どの様な人間でも、その時の乗り越えるべき壁がある。その壁が金銭の問題なのか、別の問題なのか、という程度でしかない。後ろ向きであればマイナス運気へ、前向きでプラス運気。運を高める。それは人間力を高めるに他ならない。


記事:金剛正臣

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