ゆとり世代の読書戦略、キリギリスが多いなら蟻にアクセラレータを

【書籍コラム】 同世代が本を読まない。これは機会だ。この国家は資本主義なので較差がある。逆に社会・共産主義であるならば、努力しても報われない。今は高度経済成長期とバブル期よりも努力した者が報われる時代だ。


差となるのは読書。本は知識や知見を与える。実用書・ビジネス書ならば、他者よりも予めある物事を知っている事になる。予め知っている。これは有利であり、報道の世界も同じだ。先に情報を得た物が有利だ。



<ゲームは既に始まっている>

 統計を視てみよう。平成二十五年度「国語に関する世論調査/文化庁」によれば、一ヶ月に一冊も読まない割合は五割弱。この五割弱は読書し続けている者に未来永劫、敵わない。二十代は四割が一冊も読まない。前二回の調査と比較しても読まない二十代は増加中だ。詰まり、月に一冊でも差がつく。一年で十二冊、十年で百二十冊。対する半数はゼロ冊。知見が違い過ぎる。このデータはおよそ五年に一度の設問結果。なので最新データとなる。


二十七年のマイナビの読書量調査では、全体平均で二.六冊。ゼロ冊は四割弱。サンプル数は四百人未満なので、統計の品質としては半々程度。二十八年の楽天リサーチによる「読書に関する調査」では、二十代は漫画・小説をよく読んでいる。実用書で二割、ビジネス書で二割弱。サンプル数は一千なので信頼性は担保している。


これで二十代の戦術は確定した。月に最低でも一冊の読書。選ぶべきは実用書かビジネス書。十年で百二十冊、三十年で三百六十冊以上のゼロ冊組と差がつく。最早、下剋上は起こり得ない差だ。


フルカスタマイズへトランスフォーメーション

 次に戦略。この読書戦略に明確な正解は無い。各個人が設定しなければならない。そして時として戦略を変更する場合もある。硬直的持続的に、だが柔軟性鋭敏性をもって。戦略は人生のターゲットと合致する。例えば公認会計士なら、簿記会計から始まり、資格を取得してからがポイントだ。経営学や経済学、情報技術、法務等の関連知識を吸収する事が可能だ。情報発信力を養う為にメディア論や心理学、歴史、小説等の飛び道具の様な知識も吸収できる。


要はカスタマイズ。公認会計士、という軸があるからこそ、カスタマイズできる。人は早めに軸を定めないと読書戦略も立てられない。読書もマネジメント対象だ。効率的・効果的に読書をし、自身が目指すターゲットへ向う。軸は二十代前半で決め、二十代後半で知識・知見の土台を創り、三十代前半で本格的な実践から学ぶ。軸は骨、土台は肉、そして実践は血。


後は人生におけるターゲットを獲得してユニーク(唯一無二)の人財と成るべく読書と実践を繰り返していく。連続的バージョンアップだ。時として方向転換する翼も必要だろう。アクセラレータを起動した方がプラスになる事は間違いない。努力した者のみが報われるだろう。


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