子ども・子育て政策の『基本理念』三つ

【政治報道】 岸田総理(丁酉)は、令和五年三月十七日に総理大臣官邸にて記者会見を行った。子ども・子育て政策につき、岸田内閣の基本的な考え方を発表した。


以下が基本理念。

  1. 若い世代の所得を増やす
  2. 社会全体の構造・意識を変える
  3. 全ての子育て世帯を切れ目なく支援する

理念一

  • 賃上げ;男女共に働き易い環境、希望する非正規の正規化、三位一体の労働市場改革
  • 百六万円・百三十万円の壁の見直し;短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げ、手取りの逆転を生じさせない取組みの支援
  • 子育て世帯に対する経済的支援の強化児童手当の拡充、高等教育費の負担軽減、子育て世帯への住宅支援


理念二

  • 子どもファースト社会の実現;住民参加の子育て支援、子どもファストトラック
  • 職場を変える;男性育休取得率の政府目標を引上げ(令和七年=五十㌫、同十二年=八十五㌫)、国家公務員は同七年=八十五㌫以上、育休を促進する中小企業を支援
  • 育児休業を凡(アラ)ゆる働き方に対応した自由度の高い制度へ;時短にも育休給付を創設、男女で産後の育休取得で給付率=手取り十割、育休給付のない非正規・フリーランス・自営業者へ経済的支援を創設


理念三

  • 親が働いていても、家に居ても全ての子育て計画を支援;幼児教育・保育サービスの強化、妊娠・出産・〇~二歳支援を強化した伴奏型支援、貧困・障害・医療ケアが必要な家庭や独り親家庭等へ一層の支援

<氷河期・ゆとり世代が最後の世代>

 会見にて岸田総理は、「総理就任以来、私は、我が国は歴史的転換点にあり、これを乗り越える最良の道は『人への投資』だと申し上げてきました。人口減少時代を迎え、経済社会の活力を維持していくには、構造的賃上げを通じた消費の活性化、一人ひとりに着目したリスキリングと生産性の向上、そして男女問わず、全ての人々の可能性の実現等、『人への投資』が何よりも大切です。」と訴えた。


昨年の出生数が、明治以来で過去最少の八十万人を切ってしまった点に触れ、「このまま推移すると、我が国の経済社会は縮小し、社会保障制度や地域社会の維持が難しくなります。」と、若者・若手だけでなく、中堅・シニアにも危機を伝えた。


そして「これから六年から七年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスです。子どもは国の宝です。」と、日本で最後の人口ボリュームがある世代の氷河期世代ゆとり世代の両世代を念頭に、最後の機会を強調した。



六月に子ども予算倍増の大枠

 「当事者であるお父さんやお母さん、地域や職場等、現場の皆様の声を直接聞く事が何よりも大切です。」と述べた。


子ども政策の強化につき、今月末を目途に具体的な叩き台を取りまとめる予定。


四月一日には、日本の省庁の歴史で初めて“子ども”を名称に冠する「こども家庭庁」が発足。六月の『骨太方針』までに将来的な子ども予算倍増に向けた大枠を示す。



大卒集団だけの限界

 末尾に岸田総理は、「我が国は、世代間の助け合いと支え合いを大切にしてきました。今こそ若い世代の未来を切り拓き、少子化のトレンドを反転させる。これは、経済活動や社会保障等、我が国の社会全体にも寄与します。何卒、世代を超えた国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。」と伝えた。


報道府抜きで、少子化トレンドが反転する事は決してあり得ない。何故ならば、高卒以下の(出生率が高い)若者・若手達を真剣に取材してきたのは、報道機関の中で報道府だけだからだ。大卒集団だけで考えて、少子化トレンドが反転する訳がない。


ただ、少子化トレンドを真剣に反転させる事を掲げた岸田総理へは感謝したい。



記事:金剛正臣

画像:総理大臣官邸

0コメント

  • 1000 / 1000