【ビジネス報道】 経産省(大臣:西村康稔)は、令和五年六月二日に提言『イノベーション循環を推進する政策の方向性』を取り纏めた。
「イノベ循環」の概念図を提示(上図)。イノベ循環とは、人材・技術・資金が最も力を発揮する機会・場を求め、新陳代謝を伴いながら、事業を生み出し、市場を創造していく事。
三つの論点「イノベの担い手」「イノベ・プロセスの課題」「経済社会課題を実現するイノベ」を洗い出した。以下が、六政策提言。
- スタートアップ・ファースト!;スタートアップの生態系(エコシステム)を形成する為、ディープテック・スタートアップの支援を研究開発期から事業開発・成長期にまで拡大し、成功事例を創出。また、事業会社からのカーブアウトに向けたR&Dや事業化を後押し
- イノベ・プロセスの課題;研究者と企業とのマッチングや博士人材の支援。また、R&Dから生じる収益に優遇税率を適用する「イノベボックス制度」を検討
- 挑戦と失敗を増やす;「ムーンショット型」R&D事業等において“失敗”を積極評価する新たな仕組みやKPI導入等
- 市場創造への集中支援;市場を創造するリスクテイクに官民の資源を集中投入。具体的には、「グリーンイノベ基金」で導入した規制・制度との一体支援や経営戦略との連携、標準化・ルール形成の組込み等を更に推進。その他の国のR&Dプロジェクトにも横展開し、事業化・社会実装を促進
- ミッション志向型イノベ政策への転換;GXや「資源循環」、「経済安保」等の経済社会課題実現に繋がるイノベ政策を体系的に検討し、R&D事業等の政策立案や評価見直し等
- 計算基盤・汎用技術の強化;AI基盤の整備や量子技術の産業化推進、先端技術開発の重点化等
画像:経済産業省
0コメント