【ビジネス報道】 内閣府(総理大臣:安倍晋三)は、平成三十年八月十四日にシリーズ『経済財政分析ディスカッション・ペーパー』の八月分の二本を掲載した。「企業による人的資本投資の特徴と効果/小寺信也、井上祐介」と「POS・テキストデータを用いた消費分析-機械学習を活用して-/小寺信也、藤田隼平、井上祐介、新田尭之」。更新は昨年九月以来の十一ヶ月振り。
本シリーズは政策統括官(経済財政分析担当)のスタッフ及び外部研究者の研究成果を取り纏めたもの。学界や研究機関等の関係者から幅広い意見を期待している。国民の関心が高かったものに関しては「ディスカッション・アリーナ」として、意見や回答を三ヶ月程度を目途に掲載している。十五年までは「景気判断・政策分析ディスカッション・ペーパー」だった。
全三十八頁の「企業による人的資本投資の特徴と効果」では、人的資本投資の推計と効果を纏めている。データ元は二月の「働き方・教育訓練等に関する企業の意識調査/同府」。OJTとOFF-JTの機会費用を算出して直接費用と合わせ、各企業の人的資本投資額の推計を行った。単純平均では、年間で二十八万円程度/常用労働者数一人の投資額となった。企業属性別では、高専門性の労働者が多い企業やAI等の新技術への取組みを行っている企業等で投資が高い可能性がある、とした。
また、人的資本投資(a)と労働生産性(b)の関係性では、bの水準が高まるとaの効果は逓減する。bが高い企業はaを行うと、bが更に高まる効果がある事を示唆。更に、従業員が自己啓発を行っている企業は、bが上昇する効果がより高くなる可能性を指摘した。
尚、企業が人材育成の為に行う教育投資は「直接費用」と「機会費用」の二種類。前者は、外部講師への謝金や訓練施設の運営費等の訓練を行う際に直接必要となる。後者は、訓練に参加する間に労働者が仕事に従事できない事から生じる。
画像引用:企業による人的資本投資の特徴と効果/内閣府
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