元NHKのディレクタ達が「米朝首脳会談」に対するTV報道の問題点を指摘

【社会報道】 平成三十年十月十六日に東京・渋谷にて放送を語る会(代表:今井潤 )は、『米朝首脳会談に対するテレビ報道の問題点』に関する記者会見を行った。活動は昭和天皇の崩御への報道姿勢に疑義を感じ、二年から。


元NHKのディレクタ等を務めていた委員らが出席した会見では、リポート「テレビは米朝首脳会談をどう伝えたか」を配布。NHK及び民放各社が六月十二日の前後十四日間で如何様に報道したかを統計・分析。二十三名によってモニタした番組は十二番組。今回はデイリ以外にウィークリ番組もモニタ。リポートで最も長く米朝会談を報じたのは、「羽鳥慎一 モーニングショー/テレ朝系」の七時間二十分。最も報じなかったのは、「NEW ZERO/日テレ系」となった。


このモニタを報告書としてNHK及び在京民放キー局の番組担当者並びに報道局長(NHKは放送総局長)に郵送した。


モニタの視点として、以下の五点の留意を求めた。

  1. 戦後の朝鮮半島を巡る歴史的視点を踏まえた報道になっているか
  2. 北東アジアの平和構築という視点で報道されているか
  3. 広く世界の反応に目配りした報道になっているか
  4. 日本人拉致被害者問題が、人道的・歴史的視点を踏まえた報道になっているか
  5. 日本の歴史的責任を踏まえた報道になっているか


十四日間のモニタ結果は三点に集約した。一つは会談内容の報道に終始し、会談自体を否定的に見る傾向。一部、会談に直接関係の無い話題等も。二つは日本政府への批判報道が弱い。政権に対して無批判な記者・キャスタを指摘。一部、政権を鋭く批判する番組も。三つは多面的な報道ではなかった。


 TV局には『放送法』の政治的公平と上位の『報道の自由』がある。同報告は一意見としては参考になるであろう。放送を語る会は「TVには批評がないと。批評が番組を成長させる。」という立場だ。ただ質疑応答では「OBになってNHKが政権寄りと気が付いた。」と、局内で従事する記者等が忖度等を積極的に行っていない点を指摘した。また「歯に衣着せぬ報道は少なくなっている様な気がします。」とメディアの劣化を感じている。


この点は商業ジャーナリズムの限界であろう。公共放送のNHKも会長を任命する経営委員会の委員如何によって限界が生じる。短期利益(視聴率等)を求める以上、記者やディレクタは近視眼になる。歴史的な米朝会談の背景には、日本側は明治以降の日韓併合ありき、北朝鮮側には中露ありきだ。この点を踏まえての報道は現下の記者達では難儀であろう。


撮影記事:金剛正臣

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