明治・大正の多様性ある美人像を追うポーラ美術館の『モダン美人誕生』

【社会報道】 平成三十年十二月八日から三十一年三月十七日まで神奈川・箱根町にてポーラ美術振興財団ポーラ美術館(理事長:鈴木郷史)は、 『モダン美人誕生 岡田三郎助と近代のよそおい』展を開催する。平成も終わりを迎える今、多様化する美をみつめ、現代に通じる「美人イメージ」の原点を探る展覧会だ。


明治から昭和初期にかけて、日本ではファッションや美意識に大きな変革が起こった。そうした時代に人々が憧れる理想的な「美人イメージ」誕生に大きな役割を果たしたのが、生誕百五十年を迎える洋画家の岡田三郎助(丙申)。明治末頃から大正に画家達はデザイナやクリエイティブ ディレクタの役割も担い、百貨店や雑誌と共に最新の流行を創り出していた。中でも岡田は日本初の美人写真コンテストにも携わり、女性の装いを繊細な完成で捉え、新しい美人像を次々と生み出していった。


 本展では、近代の女性の装いや美意識の変遷を岡田の他、ロマン主義的な作風の重鎮であった藤島武二(丁卯)や人物画を多く描いた鏑木清方(戊寅)等の絵画やポスタ、化粧道具等の計約二百点の作品で辿りながら、岡田が女性達の生き方に寄り添い、新時代の「美」を紡ぎ出していった様子を紹介する。


染織品コレクタでもあった岡田は、自ら選んだ着物をモデルに纏わせて作品に残した。今回は岡田の傑作約十五点が揃い、絵画に描かれた染織史料六点も展示する。


画像提供:ポーラ美術館

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