銀座・台場・新木場に囲まれる大豊洲の現況

【社会考察】 東京都江東区の豊洲エリアが進化を続けている。それは東京八号線・有楽町線の延伸(豊洲―住吉)が肝となる。この延伸事業は、国が「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」と位置付け。国・都・区が絡む。これを見越し、有楽町線と延伸部分の連結地点として豊洲を再開発中だ。最低でも向こう十年は発展し続ける。


駅前の「豊洲ベイサイドクロス」等は再開発の総仕上げの段階であるが、周辺地域に目を向けると、有明通り・晴海大橋を豊洲から渡ると中央区の晴海・月島に五輪の選手村のマンションが怒涛の建設を続けている。上の写真は西に位置する港区の竹芝から。その下の写真は東に位置する晴海大橋から。五輪後に選手村は都内有数の巨大なタワマン群となる予定で、都の情報からでは五千戸超も。豊洲の北隣に大住居地域が三年後から造られていく。



豊洲の南隣には有明が構える。ここでは国家戦略特区認定事業として、都内最大規模の十一㌶「シティータワーズ東京ベイ」が。千五百戸のトリプルタワーが特徴だ(写真上は晴海大橋から、下は有明北橋から)。有明の西は港区の台場。東には既にタワマン群がそびえ立つ江東区の東雲。豊洲を囲む様に新たな住居地域が造られる事が分かるだろう。中核となる豊洲を鑑み、周辺エリアを含めて「大豊洲」と捉えよう。


豊洲自体には所在する企業は八百四社(東京商工リサーチ調べ、二十九年)。内、売上高が百億円以上の企業が三十九社。業歴では十年未満が七割とフレッシュ。新設は増加傾向で年間百社単位。北に銀座、西に台場、東に新木場と囲まれる大豊洲にはビジネス機会が豊富だ。確かに立川エリアの再開発も大きいが、再開発中の港区の新品川(田町―品川)エリアが出来上がれば、その東脇のレインボーブリッヂが台場と繋ぐ。相乗効果が計り知れない。


 そして極め付けが冒頭に挙げた東京八号線。目下は墨田区の錦糸町が北隣の住吉までだが、最大延伸としての目論見は千葉県野田市。あくまでも目論みであるが、現実性があるのは墨田区の押上。羽田空港と成田空港を繋いでいる。その先の北へは葛飾区の四つ木と常磐線と繋げる亀有、埼玉県の八潮ではつくばエクスプレス線、越谷レイクタウンで武蔵野線、そして東武野田線の野田と。大いなる野心であろう。


山の手側の渋谷・新宿・池袋も一部再開発を行っているが、ポテンシャルは既に最大値に近い。都心の方は、六本木も含めて東京駅周辺の大丸有(千代田区)と八重洲・日本橋・京橋(中央区)の再開発もポテンシャルが読めている。一方の大豊洲には面積という大きなメリットがポテンシャルを引上げる。極めつけは、東に位置する新木場・辰巳の再開発。


江東区は人口が二十八年に五十万人を超えた。内、年少人口(十四歳まで)は六.六万人、生産年齢が三十三.七万、老年は十一万と、少子高齢化の時代において生産年齢が七割に迫る。直近五年で年少は十一.三㌫の増、生産年齢が三.七㌫増、老年は十五.〇㌫増。人口自体のバランスは大変に良好であるが、江東区は老年の増加率に目を向け、生産年齢を増加させたい。大豊洲を起爆剤とし、新木場・辰巳及び「錦糸町・亀戸副都心」の亀戸・大島を併せて働き手優勢の区となるだろう。


今後十年で都内随一の成長力が期待される。

因みに二十三区で唯一、江東区には四神が鎮座。昨年に完成したばかりで、「玄武・亀戸」「青龍・東大島」「朱雀・若洲」と「白虎・豊洲」。山﨑孝明 江東区長は当時の定例会見で「区民の皆さんを守るという願いを込めて設置させて頂きました。」と述べた。江東の虎が豊洲。


画像引用:公式/シティタワーズ東京ベイGoogle Map東京8号線とは

記事:羽田野正法、撮影:金剛正臣

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