首都大に五十歳以上向けの『TMUプレミアム・カレッジ』開講、新たな人脈づくりに

【社会考察】 東京都が出資する「首都大学東京(新元号二年より東京都立大学)」は、平成三十年十月より『TMUプレミアム・カレッジ~生涯学べる百歳大学~』の第一期生を募集している。同時に開講記念イベントやカレッジ説明、キャンパスツアも実施中。出願資格は五十歳以上で、募集は五十人程度。レカレント教育だ。


受講料は二十万円/年、入学料は無い。十二月四日が締切り。選考方法は小論文(出願時)と面接。キャンパスは南大沢。都は首都大に「資本金」として千四百十六億円、昨年度には「運営費交付金」として百六十四億円を拠出。


本カレッジでは「履修証明」を授与するが、学位は取得できない。入学前までに備えているべき能力として「東京の都市課題や一般教養分野に関する広い関心と強い探求心」等がある。求める学生像は以下の通り。

  1. 知的好奇心にあふれ、未知のものにチャレンジする人
  2. 人とのかかわりを大切にし、これまでの人生経験や本学での学びの成果を、社会に還元するなど、社会に貢献する人
  3. 独創的な発想に富み個性豊かで、仲間の発想や個性を尊重できる人
  4. 学びの意欲に富み、努力を惜しまない人


 一体、何を学べるのか。テーマは「首都・東京をフィールドに学ぶ」。必修科目は全員が履修。「情報リテラシ基礎」と論文の為の「ゼミナール」。それ以外の選択科目とアディショナル科目は、自身で希望の科目を選択する。前者の科目には「江戸・東京の歴史」「近世・江戸と近代・東京の建築と文化」「都市を育み、活かす技術」「災害復興と防災まちづくり」「都市コミュニティ論」「考古学で知る日本文化」等の全二十二科目を予定。


後者の科目には学部生と同じ授業を含めて、「実践英語」「パソコン技術」「夏季・春季等集中講座」等がある。一年は四月から七月の「前期」と十月から三月の「後期」に分ける。



費用としては格段に低い。月にニ万円を切ってしまう。最も大きなメリットは全員出席のゼミと若者の学生と接触できる点ではないだろうか。詰まりは人脈。五十歳を過ぎると新たなコミュニティを形成し辛い。首都大では募集人数も少なめなので、コミュニケーションを密に取り易いだろう。修了後には、同じ学び舎で育った同期と新たなビジネスやNPO等で社会貢献が期待できる。


今後、私大も含めて中年以降向けのリカレント教育が増えてくる。個人としても国家としても未来に資する価値ある施策となる。


画像引用:TMUプレミアム・カレッジ/首都大学東京

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