成人の日に新聞各社が求めた事

【社会考察】 平成三十一年一月十四日に成人の日を迎え、新聞各社が社説にて新成人へ声援を送った。各社の社説は、その時の時事等を踏まえて成人に要求する項目が入っている。社説は各社の論説。ハイムでは「論説」と記す。一番に訴えたい事で国民にとっても重要だ。何故ならば、第一線であらゆる情報を収集できる報道機関が、その時に重んじる内容だからだ。



讀賣新聞は「成人の日 踏み出せば見える景色がある」。

その日を“生き方を考える日”とした。新成人が生まれた平成十年以降、度重なる自然災害と若者による復旧・復興を伝える。

今春からは様々な分野で外国人材の受け入れが拡大する。互いの価値観を理解し合うためにも、幅広い視野がより大切になる

三年後の成人年齢引き下げを見据え、讀賣は現・十五歳を含めて大人になる自覚を求めた。



産経新聞は「成人の日 未来を創るのはあなただ」。

成人の自覚と責任感の要求から始めた。ただ直後には、

皆さんの前途に幸多かれと願わずにいられない

と文章に熱が籠っている。続いて未来への不透明感も伝える。

新成人の皆さんには、決して内向き、あるいは後ろ向きになってほしくない

と産経の願望を綴り、未来を創る自負を求めた。成人年齢引き下げより、全ての若者に未来を考える事を求めた。最後に産経は、

力を合わせ、若い世代が生きがいを持って働き暮らせる社会にしたい

と目標を掲げた。



朝日新聞は「成人の日に 思考の陰影感じる世界へ」。

とある風刺画を例に“ニュアンスある議論”を問う。社会は二択では決められない点を伝え、サイレント マジョリティに意識を払う事を求める。

スマートフォンやパソコンの画面だけを通じたやりとりだけでは、十分にはわからない。時にはスマホから顔を上げて真っ正面から向かい合い、触れてみよう

とノン バーバル コミュニケイションの重要性を説く。最後に朝日は、異なる価値観と対話して理解する寛容さを大切にしたい、と括った。



毎日新聞は「次の扉へ 人口減少と日本社会 二〇四〇年代への準備は万全か」。

成人にではなく、より俯瞰した少子高齢化に照準を当てた。高齢者・社会保障費・国と地方の長期債務の増加を挙げ、

少しでも早く財源確保の方策を示し、社会保障の信頼を取り戻さなければならない

と政府へ要求して消費増税を非難した。企業への要求もあった。それは六十五歳を超えても働ける様にする事だ。そして地方再生を訴え、全力を挙げるべきとした。



日経新聞も「もっと転職者を生かす会社に」。

照準は成人ではなく、社会だ。日経は転職人材を活用する視点を望み、

退職・転職は「別れ」ではなくコミュニティーの「広がり」と考えたい

と思考の変革を望む。転職者のメリットを伝え、“人生設計に応じた制度”の再考を企業に望む。人生百年時代の訴えであった。



ハイムは成人や社会に要望する事を、先ず先輩である自身達が「要望するに足りる存在であるのか」を常に自問自答すべきと考える


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