官僚にこそ働き方改革を、要は強き大臣

【政治論説】 厚労省(大臣:根本匠)で統計の不正が起きている。今回は氷山の一角で他の府省においても統計の不正がある可能性は否めない。国の統計で不正が起きてしまっては、中国の官僚を非難できようか。日本人の官僚として情けない事態である。


官僚は主に政治家が管理する。長は大臣で官僚達の生産性を高める事が重要である。民主党政権も脱官僚を掲げていた通りに、官僚の悪弊は否定できない。ただ、それは優れた人材を適材適所できなかった政治家側の責任でもある。一般組織でいう所の監督責任である。事実上、部下である官僚の魅力を引き出せなかった政治家が悪い。その為の大きな権限を有す大臣だ。


大臣は一人だが、副大臣は二人、大臣政務官も二人。合計五人の政治家で事務次官を事務方トップとする大官僚達を管理・運営する。


少子高齢化の日本において、各府省は前例踏襲をしていて良いのだろうか。現在の前例踏襲は成長ではなく、衰退だ。前例踏襲を行う旧エリートから役職を取り上げるべきだろう。今回の統計を軽んじている旧エリートが関与している。彼らは国の信用を落とす。政治家は若く挑戦的な新エリートを採用すべきであろう。その為には政治家がレク等で勉強し、聞き取りをしっかりと行う必要がある。官僚達が唸る程に勉強して欲しい。



<官僚達の秘めたる力の開放を>

 挑戦すれば失敗する。その失敗の許容度も政府は示すべきだ。政治家も官僚も失敗してはいけないと思うから萎縮する。しかし日本において、官僚が大きな市場形成の一つである点は誇張ではないだろう。官僚が活き活きと日本に対して尽力する事で、日本が活性化する大きな成長エンジンと成り得る。府省内の変革が可能性に満ちている。それだけの人材はいる。


時代遅れな出世コースも廃止すべきだ。その都度、成果を上げる事ができる実力主義に府省も変わるべきだろう。年功序列には衰退しか待ってない。残業を行っている以上、そこの責任者(政治家ないし官僚)は程度が低いのだ。ある程度の成果を規定の時間内で終わらせる事ができるエリートを抜擢すべきだ。その権限を内閣は有している。


大志を抱く新エリートの官僚は多い。だが、何年も旧エリートの弊害に晒されていると、腐る。日本にとって大きな損害だ。新エリートを擁護できるのは政治家しかいない。官僚は思っている以上に国の為を思っている。一部の保身に走る官僚を世に晒し、引導を渡すべきだろう。


この国の心熱い官僚達が一つになれば、日本に希望はある。政治家も官僚の学びに負けない様に、強い大臣足るべく、尊敬の念を抱かれて頂きたい。そして何よりも主権者の国民こそが、信頼性ある官僚達の存在を信じられたい。

(了)

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