【政治考察】 韓国・国防省は、平成三十一年一月十五日に『国防白書』をニ年振りに発行した。左派・文政権下では初。東アジア情勢にとって新たな転換点をなる可能性が出てきた。それは韓国の自由主義陣営(西側諸国)から離脱し、社会主義陣営(東側諸国)への接近だ。日本の大きな防衛問題となる。
この転換点は、歴史的に明治二十八年『遼東還付条約』後に朝鮮王室が帝政ロシアに接近した時と似る。百二十年程前の日清戦争後と日露戦争前の頃だ。
韓国は今回の国防白書で同じ自由主義陣営の日本に対して「基本価値共有」の文言が、社会主義陣営の北朝鮮に対しては「我々の敵」の文言が消されてしまった。「敵」に関しては十年近く採用していた。その「敵」は「周辺の全ての脅威と侵害勢力」「韓国の主権・国土・国民・財産を脅かし、侵害する勢力を我々の敵と見做す」とする。現状では軍事協力上、同盟関係である米国が一番手だが、二番手は日本から中国に変わった。
<防衛ラインが対馬海峡まで後退>
十七日付けの夕刊フジでは『韓国「レッドチーム入り」露呈』と題した。このレッドチームは社会主義陣営という意味だ。記事では米韓同盟の破棄についても触れている。その文政権の支持率は四十九.六㌫と朝鮮日報が十四日付けで報じた。前週比で三.ニ㌫の上昇。文在寅(癸巳)韓統領はソ連と米国によって分断された朝鮮半島の統一を狙っている。
万一にも韓国が自由主義陣営から離脱してしまうと、日本の国防上、軍事境界線は朝鮮半島の三十八度線から朝鮮半島と九州の間に位置する対馬海峡まで後退する。「同志社大」の村田晃嗣(甲辰、写真上)元・学長がWEB Voiceで昨年末に伝え、「トランプを『二のカーター』にしてはならない。」と、ドナルド・トランプ(丙戌)米統領が鍵である点を強調した。在韓米軍の撤退である。
韓国は報道現在で左派政権である。日本は右派政権。対立して当たり前だ。国内の左派政党である立憲(代表:枝野幸男)は韓国のレーダー照射問題でも無言を貫く。文政権を支持しない韓国の国民もいる。友好国の日本は嫌韓を控え、自由主義を重んじる韓国の国民を支援すべきだろう。嫌韓を続ければ、自由主義陣営に嫌気が差し、社会主義陣営となってしまう。
韓国の政権交代を
それは明治から続いた対ロシア戦の再発になりかねない。事実、一月十四日の日露外相会談後の記者会見にて、ロシア側は北方領土の主権がロシアにある点を認める事と日本における北方領土の呼称を敬遠した。会談では両国の平和条約締結に向けた条件等を協議していた。
社会主義陣営が強気な理由の一つに第四革命がある。AI・ロボット等はビックデータを基盤とする。社会主義陣営は独裁国家が多く、ビックデータ収集に有意だ。日米は自由主義陣営なので民主的にビックデータを収集しなければならない。実質的に「社会主義・国家」対「民主主義・企業群」という構図になってしまうのが、第四革命である。
ともすれば、日米有意のグローバル経済は第四革命を以って、中露有意に反転する可能性があるのだ。自国の経済が厳しい韓国は、その誘惑に駆られている。今回の韓国の国防白書の変更は日本にとって重い。韓国の政権交代が喫緊の課題である。幸い、韓国の野党は反論を強めている。
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