【社会考察】 先日に公表された『老後の生活設計と公的年金に関する世論調査/内閣府』では、衝撃的な統計データが並んだ。「老後の生活設計を考えた事の有無」では三割も考えた事が無いと答えた。その理由が「老後は分からない」「老後の生活設計の立て方が分からない」「老後を迎えた時に考える」「考えると不安になる」と、現実逃避的な理由が並んだ。
この三割は貧困老人を知らないのだろうか。分からない場合には分かる様に行動する。老後になった時では場当たりなので、上手くはいかない。予め計画を立てて行動する。不安になるなら、安心できる様に「何をするべきか」を調べる等の行動をする。上述の理由は「行動しない」に帰結し、貧困老人と成り得る。収入を得る事、ないし収入を増やす事を考えないからだ。
一方で老後を考えている層も「公的年金」と「預貯金」でやり繰りする前提が七割。収入を増やそうと考えているのは二割未満。老後の期間は十年から二十五年を想定しているものの、七十歳までに退職が大方を占める。資産に不自由が無さそうな回答は、一割に満たず、三厘。平均寿命及び健康寿命が続伸する現下では、資産運用が肝だろう。
<考え続けるを放棄しない>
今回の調査は十八歳以上だが、国民の多くは、ここまで未来を考えずに日々を生きているという証左だ。無計画で増収する程、世の中は甘くない。現実逃避は以っての他だ。「勝つべくして勝つ」と同じ様に「貧困層になるべくしてなる」。
少子高齢化で労働人口が減れば、自ずと税収は下がっていく。現在の国の福祉は未来には実現が不可能だ。税収が減る前提だからだ。公的年金も下がり、医療費等の費用も上がる。真剣に国民は人生百年時代を考えるべきだろう。国は警告を発している。怠慢は自身に返ってくるだろう。
最早、老後は無いに等しい時代。
但し、この社会をつくったのは、過去と現在の主権者・国民である事を忘れてはならない。
記事:羽田野正法
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