第一八九回常会『政府四演説』、改元年の日本の方向性

【政治報道】 安倍晋三(甲午)首相、河野太郎(癸卯)外務相、麻生太郎(庚辰)財務相と茂木敏充(乙未)経済財政政策担当相の四者は、平成三十一年一月二十八日に第一八九回常会にて施政方針演説(政府四演説)を行った。施政方針演説では、その年の行政府として基本方針や政策について示す。


安倍首相は冒頭で災害に触れ、一句を引用。明治天皇御製「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」と、近代日本が危機を乗り越えてきた点を強調した。この句は明治天皇(壬子)が日露戦争中に大和魂の底力を詠まれたもの。全世代型社会保障への転換として、アベノミクスの進化や教育無償化、一億総活躍等を訴えた。成長戦略としては、中小・小規模事業者に触れた。海外進出を切り口に政府は「ものづくり補助金」等で支援する。TPPと日欧EPAが念頭にある。


また戦後日本外交の総決算として、自由貿易のルール作りへの率先や安保政策の再構築等を挙げ、新元号に向けて準備を整えるべく、意気込んだ。



 河野外相は、昨年の外交演説の中で話した六本の柱を堅持。それは「日米同盟の抑止力と対処力の向上」「近隣諸国等との関係強化」「多角的貿易体制の維持と改革」「地球の課題解決」「中東政策の強化」「インド太平洋の自由化」。加えて、外務省の優秀な人材獲得や海外出張の効率化、公邸料理人の確保、国際機関の職員の幹部登用等を挙げた。そして民主主義の国際秩序と対抗する勢力へは断固、闘うとした。


麻生財務相は、予算の大要を説明した。現状を緩やかな回復とし、少子高齢化へ対応する。消費税率の引上げも明言した。六月に日本初開催となる『G20財務大臣・中央銀行総裁会議』では議長国として、世界経済の持続可能で包摂的な成長の実現の為の基盤づくりを目指す。予算に関しては、社会保障の充実、消費増税への「臨時・特別の措置」、新規国債発行額の減額の順で述べた。本年から「新経済・財政再生計画」が始まる。


茂木担当相は、アベノミクスの実績を伝えつつも、世界の通商問題の影響や海外経済の不確実性、金融資本市場の変動影響等のリスク要因に注意する。直面する壁は三つ。「少子高齢化」「経済成長と財政健全化の両立」「保護主義と通商問題」。リカレント教育や退職年齢の引上げ、第四革命ビジネスの後押し、消費増税時の中小・小規模事業者への支援、TPPと日欧EPA等による主導、日米TAG等で応じる。


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