新元号元年の自民党のコピーは「日本の明日を切り拓く。」|第八十六回『党大会』

【政治考察】 自民党(総裁:安倍晋三)は、平成三十一年二月十日に東京・高輪にて、第八十六回『党大会』を開いた。例年は三月に開くが、本年は春『統一地方選』と夏『参院選』がある為、一ヶ月の前倒し。


連立政権を組む公明党の山口那津男(壬辰)代表は、本年で二十年の連立となる点を挙げ、第二十代である小泉純一郎(壬午)元・総裁の言葉を引用。「人生には色んな坂がある。上り坂、下り坂、そして、まさかという坂。」と、自民党がまさかの下野した点を述べた。ただ、野党時代の公明党との三年を貴重と表現。来る参院選では、五人の候補の推薦を自民党から受けた。


党大会が初めてとなる経団連の中西宏明(丙戌、日立製作所)会長は、皇位継承やG20等を挙げ、本年が歴史的な一年である旨を話した。「我が国がリードする新たなカタチを創り、示す絶好の機会。」と語気を強めた。安倍政権にはデフレ脱却とSociety5.0の社会実現を求めた。


本年のPVでは「日本の明日を切り拓く。」の文字が躍る。昨年は「責任を果たす。」であった。第二十五代の安倍総裁(甲午)は、二十分に及ぶ演説で以下の点を強調した。

  • 統一地方選、参院選
  • 悪夢の様な民主党政権(若者の就職率、倒産件数)
  • 予算案(国土強靭化、国債縮減)
  • 就職内定率の上昇、賃金上昇、観光客増、生産農業所得が過去最高
  • 北方領土問題、拉致問題
  • 改憲
  • 五輪、万博


「地方議会の力こそ、自由民主党の力の源泉であります。」と始め、昨年同様に「憲法改正に取組む時。違憲論争に終止符を打とうじゃありませんか。」と重ねた。


事の本質と前線

 この一年は改憲について議論が進まなかったと言える。東アジア情勢を含む米国の三面作戦下では、日本の軍事力は欠かせない。国防が何よりも第一であるが、自民党のシニア達が急ぎ過ぎている点が否めない。国会内では強行突破も可能であるものの、主権者・国民による投票となれば、懇切丁寧な改憲の必要性を説くべきだろう。そして説く際に、軍事力の話題を逸らしてはいけないのではないだろうか。


経済の好景気の実感が伴わないのも、旧知識・旧体制のシニアと介護等のシニアが年々増えているからだ。これでは幾ら若手が生産性を向上しても、相殺されてしまう。稼いだ金が若手に還元されない。自民党への取材でも、応対する担当者は、未だに年功序列の観が否めない。時代錯誤であり、実力主義の現代を受け止め、優秀な若手の人材を前線に起用すべきであろう。


逃げずに事の本質を国民に伝える。「日本の明日を切り拓く」のはシニアではなく、安倍総裁が国会で言った四十九歳以下の若手に任せて貰えないものだろうか。勿論、失敗を前提に。中堅・シニアが仕切るなら、若手は動かないものだ。


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