【ビジネス報道】 経団連(会長:中西宏明・日立製作所 会長)は、平成三十一年三月十四日と十五日の両日に東京・大手町にて『B20東京サミット』を主催して取り纏めた共同提言を安倍晋三(甲午)首相に手渡した。B20ではG20の各国の経済団体と国際経済団体が集まり、六月に大阪にて開催される「G20サミット」に先駆けて議論した。
安倍首相は「先頭に立つべきは、世界のGDPの八十㌫以上を占めるG20、なかんずく経済界のリーダ達。B20の役割はとても大きなものがあります。そうした中で、本日の提言は誠に時宜を得たものであり、共に力を合わせて、Society 5.0という新しい時代を切り拓いていきたいと考えています。Society 5.0時代の石油とも呼ぶべきデータについて、プライバシやセキュリティを適切に保護しつつ、国境を越えた自由な流通を確保していかなければなりません。」と挨拶した。
共同提言では、多様な専門領域における多様な知識の組合わせを通じて達成するイノベーションを促進し、投資を喚起する政策を立案する事が極めて重要とする。提言範囲は「デジタル革新」「貿易と投資」「エネルギーと環境」「質の高いインフラ」「仕事の未来」「健康と福祉」「清廉性」の七分野。仕事の未来でB20は、持続可能な労働市場の整備に向け、雇用に関するより効果的なコミットメントの実行を求めた。取組むべきとした課題は以下の四つ。
- 起業家や自営業者がアイデアを事業化し、より円滑に発展させていけるイノベーションに優しい枠組み確立。既存の中小・零細企業に新たな技術を活用する力を与えるものとすべき
- 労働法制を柔軟化。多様な雇用形態は特に女性、高齢者、若年者、障害者等のグループの労働市場参加を促す
- 多様な働き方の創出や労働法規の執行を通じた労働市場の整備に重点を置く
- 労働者の生涯学習へのアクセス拡大と教育訓練のベスト・プラクティスの共有の促進。加えて、若年者が機会を獲得し、起業精神を身に付け、将来の高度人材となる為の自己研鑽ができる様に職業訓練・学校教育の場を保証。当該対策は所得補償に優先。労働市場政策は、企業と協力して生涯学習に注力すべき
結びに「先進国と発展途上国の全てのステークホルダは、Society5.0 for SDGsを実現する為に協力する事が推奨される。我々、B20はG20閣僚会議やタスクフォース会議で議論される具体的な課題について更に詳しい見解を示す為、一層貢献していく所存である。」とした。
写真:B20の共同提言を受け取る安倍首相/時事通信社
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