【政治考察】 平成三十一年三月二十八日に地域政党「あたらしい党」の音喜多駿(癸亥)代表が都議を辞任し、四月の北区長選へ立候補する旨を都庁にて発表した。五期二十年を狙う現職は花川與惣太(乙亥)区長。共産推薦の川和田博も立候補が予定されている。
代表が立候補する一番大きな理由は、北区の政治・社会状況。同日の記者会見では人口動態に触れ、過去十五年間の人口増加率が二十三区中、二十二位に甘んじている点を指摘。「とりわけ若い世代の流出率が顕著になっておりまして。」と子育て世代の三十代と四十代の流出事実を危惧している。北区は高齢化率で二十三区中で長らく首位。
公約は告示日である四月十四日までに完成させる。投開票は二十一日。会見の翌日には暫定版として「おときた駿 北区を良くする二百十八政策」を発表。「子ども・教育」「産業・経済」「健康・医療・介護」「行政」「財政」「安全・安心」「社会資本・インフラ」「環境・エネルギ」「地域・共生」の九つに大別した。
「子ども・教育」で一番に掲げる政策は子育て区民への個人住民税(区民税)軽減・国民健康保険料軽減の検討。各種子育て支援サービスの無償化ないし割引や妊娠時の公共料金割引等の金銭面での支援を訴える。これらの施策は既に事例がある自治体を参考にしている。子どもへの施策も非常に豊富で、一考に値するだろう。代表は都議を経て、基礎自治体自体の改革の必要性を感じ取った。都だけの掛け声だけでは地域住民への奉仕力に限界がある。
北区を良くする為の指針は以下の四つ。
- 若者が成長を目指せる街、北区。コスパ世界一の街、北区。
- やさしいテクノロジーでお年寄りも安心快適な街、北区。
- 徹底した行政改革で、無駄を削減。スリムでスマートな街、北区。
- 北区の本当の「みんなの街」に。区名変更で住民投票を
会見では最後に広報戦略について述べた。それが指針四つ目の区名変更の提案だ。全国に複数ある「北区」という名称では検索や地元への愛着度、何よりも独自性で見劣りする。ユニークな自治体の名称は確かに現代においては、不可欠であろう。来る都知事選での住民投票を模索する。また情報発信の弱さに触れ、現職の無HP、無ソーシャルメディアを非難し、「区長の仕事はトップセールスだと思っているんです。」と強い北区を実現させる意欲をみせた。
三十代が八十代に挑む。
記事:金剛正臣
写真:都議の音喜多駿氏、北区長選出馬へ 現職と選挙戦に/朝日新聞
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