特別区で先頭を走る江東区、七十代vs七十代vs三十代の区長選

【政治報道】 後半戦となる『統一地方選』の投票日は平成三十一年四月二十一日。新エリートが集まる江東区長選も同日が投票日となる。昨今の新エリートは六本木や青山、渋谷等の西側を忌避する。“成り金”の生活イメージは然る事乍ら、賢い生活を重んじる。家賃は山の手と川の手では雲泥の差で貯蓄性向は高まる。山の手側に住んだり、働いたりすると逆に消費性向が高まる事を新エリートは知っている。


都心から三十分圏内に位置する江東区には、豊洲・東雲のタワーマンション群が立ち並び、亀戸・大島の好条件の子育て環境が整う。同日に投票日の同区議選にも働く若手尊重が顕れる。同区議の定数は四十四で五十七人が立候補。内、二十代と三十代の立候補者は十一人。四十代まで入れると十七人で二十九.八㌫を占める。


区長選には三人が立候補。四期を目指す山﨑孝明(癸未)区長、共産推薦の吉田年男(戊子)と三十代の遠藤洋平(己未)。選挙公報に並んだ公約を比較する。


山﨑区長は五輪成功と五輪施設の活用を一番に掲げた。二番が地下鉄八号線(豊洲~住吉間)だ。こちらは同区の共産議員も推している。子ども関連では、子育て環境の充実を図る為に保育所や子ども家庭支援センタの整備を挙げ、全小中学校の体育館に冷暖房設備を設置したい。他には区南部の京教施設の整備や水と緑の街づくり、商店街・区内産業の活性化等を挙げる。山﨑区政以来、同区は必ずどこかで新たな街を創ったり、バージョンアップをしている点が特徴だ。今後も、この路線を続ける。

特に地下鉄八号線の延伸は沿線地域を多いに発展させる。


吉田候補は、区の貯め込み金とする一千二百三十一億円を暮らし・福祉・防災に割り当てたい。一番は学校給食費の無料化。続いて認可保育園の増設と質の確保、国民健康保険料の子ども分の減免と子ども向けを主公約とする。他には公契約条例の制定による商工業の仕事確保、地震火災防止のブレーカ設置の補助等と区民の生活に密着した提案をしている。推薦は宇都宮健児(丙戌)元・日弁連会長。


遠藤候補は自ら政治団体を立ち上げた社労士。公約は一番細かい。目玉は「江東区カルチャーバレー構想」だ。これは観光資源を最大に活用し、アニメ・マンガ・ゲーム・音楽等の企業とクリエイタの集合地帯を創り、世界のKOTOを目指すもの。先の地下鉄八号線の沿線部である豊洲から住吉周辺が主軸の一つ。

特別区内で財務力指数が十四位の為、区長報酬と交際費を大幅に減額したい。区議会における請願・陳情の処理件数も同二十二位の為、改善へ。ハイレベル最先端教育の高校新設、小中高からのキャリア教育拡充と先鋭的だ。


最後に区議候補の中から、一つ特筆するものとして、「ゆりかもめの延伸」を提唱する候補がいた。これは終点の豊洲から汐留運河、南砂を経て副都心の亀戸まで伸ばす提案だ。若手が増え続ける江東区に東京の未来の一端が垣間見える。


撮影・記事:金剛正臣

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