凝縮(ゆとり)世代に合わせて利益は上がるか、中堅達を疲弊させてないか

【ビジネス考察】 昨今のニュースを俯瞰していると、凝縮(ゆとり)世代との接し方に紙幅を割いている記事を散見し続けている。会社経営で最も重視すべきは利益だが、利益を度外視した論調がある。凝縮世代との接し方に経営リソースを割き過ぎではないだろうか。


本末転倒であるのが、凝縮世代に合わせて生産性が落ち、利益が低下する事だ。


会社とは、営利を目的とする社団(営利)法人である。儲けを出す為の法的組織が会社。利益が出なくば、給与の支払いはおろか、待遇上昇も敵わない。取締役会は利益を中心に戦略・戦術を考えるべき、という当たり前の事がやや綻び始めている。利益を中心にしたくないのであれば、会社形態を止め、社団法人やNPO法人に切り替える事もできる。


まず取締役会は事実上の司令部であり、会社の方向性を決める。その方向性を以って下部の執行部が動く。その際に凝縮世代が業務上の躓きとなるのであれば、生産性を上げる事を前提に上司や取締役が変える。但し、利益を減らしては何も意味が無い。


それは詰まり、中堅と若手の上職位の者を保護する事が重要である。何故ならば、彼らは会社の利益に貢献したからだ。優先順位は中堅と若手上職位。凝縮世代は下位としなければ、利益が減る可能性がある。現在は、第四革命下なので凝縮世代の意見も必要だ。会社内の新たなシステム構築に向いているだろう。


だからといって、合わせ過ぎても彼らは利益の責任をとれない。個々の会社には、それぞれの企業文化があり、それに原則従うのが労働者だ。社内のシステム変更も企業文化に合致している必要があるだろう。それが、その会社のブランドだからだ。


彼らは至って個人主義なので、上司達はメリット・デメリットで接すれば良い。ここから逃げるから、煩わしくなる。「部下を育成せよ」、但し「会社の利益や企業文化を損なっても良いのか」。


彼らのメリットは単純明快である。「自身にとって如何に生産的に仕事をするか」だ。会社にとっての利益を考えてくれる、という甘い希望を捨てた方が良い。彼らと接するには、彼らのメリットと上司(会社側)のメリットを突き合わせて交渉する事だ。ここを上司がよく怠る。


例えば、「自分から聞きに来い」という上司のオーダーがあったとしよう。これは会社としての要望だ。上司自ら部下達に一つひとつ確認しない事で、上司の生産性が上がる、という考え方による。よって、それを守らない部下は職務怠慢となり、減給対象となる。上司の生産性を阻害している事になる。こういったメリット・デメリットを口頭及びテキストで伝える事が重要だ。


企業文化に賛同できない者を会社に置いていても実害が増すだけで、会社のメリットが無い。特に現状では中堅と若手上職位を疲弊させてはならない。忠誠心は彼らと比べて高く、継続的な経営には欠かせない人材群だ。就職氷河期世代を大いに切ったり、派遣に落とした事で痛感した経験がある筈だ。


会社には上と下を繋ぐ中が欠かせない。安易に凝縮世代へ迎合すれば、中が疲弊し、業務上の重大な情報を抱えたまま潰れかねない。凝縮世代はこれを深く理解する必要がある。思い通りに仕事をしたければ、利益という結果をまず出す事が先であり、上の職位へ就く事だ。それでも納得がいかないならば、自身で会社を立ち上げる事だ。


人材不足は第四革命が進めば、自ずと解消される。最も重要な事は「会社に利益を上げられる者が、どれだけいるか」という事に尽きる。お互いのメリットを突き合わせ、大いに交渉をした方が良いだろう。


記事:羽田野正法

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