令和帝の最初の御言葉と十一月の大嘗祭『祭祀』

【社会報道】 令和元年五月一日に皇居・宮殿にて『剣璽等承継の儀』が執り行われた。三種の神器の内、『天叢雲剣(あまの むらくもの つるぎ、草薙剣)』と『八尺瓊勾玉(やさかにの まがたま)』に併せて印章「御璽(ぎょじ)」と「国璽(こくじ)」を受け継がれ、天皇陛下(庚子)が即位なされた。御璽は天皇の印鑑、国璽が外交文書等の日本国の重要な文書に用いられる。

陛下は第一二六代の天皇。


陛下は天皇になられて、最初の御言葉を『即位後朝見の儀』に於いて述べられた。

日本国憲法及び皇室典範特例法の定める所に依り、ここに皇位を継承しました。この身に負った重責を思うと粛然たる思いがします。
顧みれば、上皇陛下には御即位より三十年以上の長きに亘り、世界の平和と国民の幸せを願われ、如何なる時も国民と苦楽を共にされながら、その強い御心を御自身の御姿でお示しになりつつ、一つ一つのお務めに真摯に取組んでこられました。上皇陛下がお示しになった象徴としての御姿に心からの敬意と感謝を申し上げます。
ここに皇位を継承するに当たり、上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、また歴代の天皇のなさりようを心に留め、自己の研鑽に励むと共に、常に国民を想い、国民に寄り添いながら、憲法に則り、日本国及び日本国民統合の象徴としての責務を果たす事を誓い、国民の幸せと国の一層の発展、そして世界の平和を切に希望します



十月に予定されていた初の「一般参賀」は四日に前倒しされる。十月には『即位礼正殿の儀』、十一月には『大嘗祭』が控えており、これら等を以って名実共に陛下は天皇となられる。大嘗祭は即位後に最初に行う新嘗祭で、特別に大嘗宮を造営する。天照大御神等の神々に新穀を御供えする大嘗祭では、報道機関と宮内庁の職員も立ち会えない「祭祀」もある。


この祭祀は陛下と采女の三名のみの暗がりの儀式。御告文を読み上げられ、御供えした神饌を共に召す。「漢字百話/白川静」に拠れば、漢字とは「呪的儀式を文字として継承したもの」とする。“告”の上部は木の枝で榊等の神事で用いるものと推察し、下部を榊等に繋げられた祝詞の器の形と見做す。


そして“文”は「分身であり、出生・成人・死喪の際の通過儀礼を示す字」とする。更に「霊界に入る人の聖化の方法として、その胸郭に朱色で記号を加えた形が文である」と断じる。


詰まり、陛下は御告文の読み上げを行う事によって、即位を日本の神々を前に宣言なさり、晴れて日本の帝と成られる。


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