【政治報道】 与党・自民党(総裁:安倍晋三)は、令和元年五月二十一日に「人生百年時代 戦略本部(本部長:岸田文雄)」が取り纏めた『人生百年時代の社会保障改革ビジョン』を首相に提出した。全七頁。特に、団塊の世代が後期高齢者となり始める四年を念頭に置く。
提言では、令和時代の全世代型社会保障の方向性として以下の五点を挙げた。
- 勤労者皆社会保険;人生百年時代のセーフティネット
- 人生百年型年金制度;選択できる年金制度へ
- 雇用制度改革;雇用を縦にも横にも伸ばす
- 医療・介護の提供体制改革;供給者目線から国民起点へ
- 健康づくりの抜本強化;人生百年時代の安心の基盤
- 子育て支援;社会全体で子育てを支える仕組みへ
一では、セーフティ ネットの必要性を説き、め、雇用形態を問わない「勤労者皆社会保険」の制度を提案。現状の社会保険(健康保険・厚生年金保険)では、非正規が保険の恩恵を受けない為だ。急増する非正規に対しての安心と言える。例えば、低所得者に保険料の軽減措置等だ。「配偶者特別控除」の限度額変更も含む。
二は、年金制度の転換だ。年金受給のタイミングの選択範囲拡大と「在職老齢年金」の縮小・廃止を掲げる。私的年金等についても、年齢上限を見直し、「エイジ フリー社会」に相応しい体系に転換したい。
三では、雇用期間を縦に伸ばす。同時に雇用の選択肢を横に広げたい。先ずは労働法制にて「兼業・副業」を法律的に明確化。中高年は七十歳以上でも働ける就労促進、若年層は就労促進に併せて新卒採用の転換を急ぎたい。また検討項目に「キャリア相談」「サバティカル休暇制度(一ヶ月以上の長期休暇)」「中期雇用のコース化」「定年制度の禁止」を入れる。「リカレント教育」に関しては、学び直しの為の休暇制度を勧める。
四は、厚生労働行政を国民目線で徹底的に効率化し、無駄を削減したい。「地域医療構想の実現」「データ ヘルス基盤の整備」「地域包括ケア システムの構築・地域共生社会づくり」「かかりつけ医・かかりつけ歯科医・かかりつけ薬剤師の普及と診療所・病院の役割分担の明確化」「医師の働き方改革」「医療機関へのかかり方への啓発」「薬価制度改革」等を具体策とする。全体としては働き手を軸とする支え手の負担軽減だ。
五では、安心の基盤を“健康”と言い切る。個人の健康に関してはインセティブの強化(ヘルスケア ポイント等)、保険者や事業者には健康投資増への支援等を掲げる。
六は、「社会全体で子育てを支える」仕組みの強化だ。「通勤時間の短縮」「テレワークの推進」「住宅環境の整備」「専門性を活かした女性のキャリア形成支援」を挙げる。更に「子ども・子育て支援新制度」の更改を推す。
写真:自民人生100年本部、首相に社保改革ビジョン提出/産経新聞
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