六月十四日よりグノーの歌劇『ファウスト』が公開

【芸能報道】 令和元年六月十四日より東宝東和(代取:松岡宏泰、山﨑敏)は、ロイヤル・オペラ『ファウスト』を公開する。本作は仏の歌劇でシャルル・グノー(戊寅)の作曲。原作は独ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(己巳)だが、バレエ音楽を追加等と原作とは別の作品と捉える面もある。「ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン 二〇一八/一九」の一環で九作目。


誘惑の悪魔・メフィストフェレスとの契約で若さを取り戻したファウスト博士は、清純な乙女マルグリートの愛を得るが、直ぐに彼女を捨て絶望の淵に突き落とす。グノーはこの物語を、美しい旋律と輝かしい管弦楽で描き、音楽そのものが救済となるような奇跡のオペラとした。


本作は、秋に予定されている英国ロイヤル・オペラ来日公演の演目でもある。平成十六年に初演されたマクヴィカー演出の舞台は、この歌劇場を代表する名舞台。物語を十六世紀ドイツから、オペラが初演されたパリの第二帝政期(ナポレオン三世)に移し、普仏戦争を目前にした文化の爛熟と退廃を感じさせる美しい舞台に仕上げている。


出演歌手には悪魔メフィストに艶のある美声のアーウィン・シュロット。情熱的でエレガントなファウスト博士には米METでも活躍するマイケル・ファビアーノ。美しく一途なマルグリートにイリーナ・ルング。マルグリートの兄ヴァランティンはステファン・デグー。指揮はダン・エッティンガー。


本作の聴き所はヴァランティンのアリア「祖国を離れる前に」、メフィストの「金の小牛のロンド」、ファウスト博士が歌う「この清らかな住まい」、マルグリートの「宝石の歌」等。有名なワルツや勇壮な合唱曲もある。そしてフィナーレを飾るマルグリート、ファウスト博士、メフィストの三重唱は、オペラの歴史に刻まれた最も美しい瞬間の一つ。 


=あらすじ=

年老いた学者ファウストは人生の虚しさを感じ自ら命を絶とうとする。

そこに悪魔メフィストフェレスが登場し、欲しいものはなんでも与えようと申し出る。ファウストは青春を取り戻すことを望み、死後の魂を悪魔に渡す約束をする。

一瞬で若者に変身したファウストは、美しい乙女マルグリートを情熱的に口説き、ついに彼女と一夜を共にする。だがファウストはすぐにマルグリートを捨て、戦争から戻った彼女の兄を決闘で殺す。

妊娠したマルグリートは生まれた赤子を殺した罪で牢獄に入れられ、後悔したファウストは彼女を助けにくるが…。


写真:東宝東和㈱

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