自民若手は「新時代の社会保障改革ビジョン」を以って年金改革を遂げたい

【政治考察】 令和元年六月十八日に時事通信社(代取:大室真生)は年金制度改革につき、自民・小泉進次郎(辛酉)厚労部会長への記事『「二千万円」問題、改革の好機に=自民・小泉厚労部会長インタビュー』を公開した。現行のマクロ経済スライドを主軸とする年金制度は父・純一郎(壬午)が首相の平成十六年に導入した。


小泉部会長は平均で年金が二千万円不足する問題(厚生年金)を「自分達がやってきた事を伝えるチャンス」と見做す。部会長らの自民の若手議員は平成二十八年に「二〇二〇年以降の経済財政構想小委員会/財政再建特命委員会」を立ち上げ、社会保障改革を考えている。三十一年四月十八日に厚労部会は「新時代の社会保障改革ビジョン」を発表した。


同ビジョンのポイントは、給付削減と負担拡大以外に「支える側」と「支えられる側」のバランスを回復する「第三の道(リバランス)」を追加。「発想の壁」「年齢の壁」「制度の壁」の三つを打破したい。具体的には以下の七つの改革を挙げる。


  1. 勤労者皆社会保険;企業で働く方は、雇用形態を問わず社会保険に加入
  2. 人生100年型年金制度;受給時期の選択範囲の拡大、加入可能期間の延長、在職老齢 年金の廃止 、 ねんきん定期便等の見直し、• 私的年金制度の利用年齢上限等の見直し
  3. 雇用制度改革;雇用を縦にも横にも伸ばす
  4. 医療・介護の提供体制改革;医療提供体制の高度化(病床の機能分化・連携促進、データヘ ルス基盤の整備、かかりつけ医の普及、医師のタスク・シフティングや タスク・シェアリング) 、薬価制度改革(OTC医薬品の普及・拡大)、 介護提供体制の高度化(自立支援インセンティブ、書類簡素化・ 行政手続のIT化、介護事業所へのIOT機器の導入、将来的な報酬・規制体系の見直し)
  5. 健康づくりの抜本強化;個人の予防インセンティブ(ヘルスケア・ポイント制度の全国拡大)、保険者の予防インセンティブ(保険者努力支援制度、介護インセン ティブ交付金)、企業の予防インセンティブ(健康投資促進、健診100%社会)、大規模実証事業(予防の健康増進効果のエビデンス)
  6. 子育て支援 厚生労働行政改革;幼児教育・保育の強化(幼児教育無償化、受皿整備の加速化、 保育士の処遇改善)、「小1の壁」をつくらない学童保育の強化、子ども子育て支援新制度の今後の検討
  7. 厚生労働行政改革;厚生労働行政のあり方の見直し(業務量に比して定員数や組織構造にアンバランス)


特に三では兼業・副業の推進、七十歳を超えても働ける環境整備、若年層の就労促進・新卒一括採用慣行の見直し、サバティカル(長期)休暇の導入、中期雇用コースの導入、休暇制度改革、学び直しに対する支援強化、働き方に中立的な税制と社会保障制度を掲げている。


部会長は、インタビュにて年金が老後の全てを支えるとの誤解を招いた点つき、「私たち政治家が責任を問われなければいけない。」と答えた。働き手の世代は自身の未来を構築する柱の年金制度について考え、選挙に臨まなければならいだろう。


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