自民の中小・子ども・女性向け公約|令和元年『参院選』

【政治考察】 自民党(総裁:安倍晋三)は、令和元年六月七日に『参院選』の公約を決定した。報道現在で投票日は未定。今回の公約は二部構成。一部では「外交・防衛」「強い経済」「安心社会」「地方創生」「復興・防災」「憲法改正」の重点政策の六項目を掲載。二部は「政策BANK」として、個別の政策を約二百五十項目を掲載した。


重点政策の二番手「強い経済」では、GDP六百兆円経済の実現を掲げる。イノベーションを社会に実装する手立てとして、第四革命の資源「データ」を利活用する戦略的体制の整備(「デジタル市場競争本部(仮称)」、「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法(仮称)」)を進め、AIやIoT等を活用。生産性の向上とイノベーション(農業、医療、教育等)を創出したい。


新たに宇宙・海洋資源やG空間(位置)情報、バイオ、量子技術、コンテンツ等の産業フロンティアを官民挙げて切り拓く。ポイントは「ローカル アベノミクス」と地域経済に着目(「規制のサンドボックス制度」)。またスチュワードシップ・コードの改訂や会社法改正(外取の義務付け等)も目論む。


中小企業・小規模事業者への支援には、「固定資産税」「事業承継時の相続税」ゼロ制度の周知や下請けいじめの撲滅、適切な利益分配の実現、事業承継時における新旧経営者からの保証二重徴求を原則禁止等を掲げる。具体策は以下の通り。


  • 中核人材を確保する為の取組み強化
  • デジタル化支援(スマートSME推進補助金の創設)
  • 中小向けAIツール開発とAI人材育成の推進
  • 新事業展開や海外展開への支援
  • 最低賃金を全国加重平均で1,000円に


税制では十月の消費増税(十㌫)を明記。住宅や自動車購入への予算・税制上の支援や個人所得課税の控除のあり方を検討、老後に向けた資産形成支援等に取組む。金融では総合取引所の早期実現やフィンテック(API解放)を含む金融イノベーションの取組みを深化・重層化・加速化させたい。



重点政策「安心社会」では、社会保障制度を構築。子どもの未来と安全に大胆に投資するとして、待機児童ゼロの加速や三歳から五歳の全子ども及びゼロ歳から二歳の住民税非課税世帯の子どもたちの幼児教育・保育を無償化(十月より)、高等教育の実質無償化の実現(来年四月より)等を挙げる。


女性活躍では指導的地位に占める女性割合を三割に設定。女性の起業支援やDV・ストーカー対策、アダルト ビデオ出演強要問題・JKビジネス問題の根絶、「女性の健康の包括的支援に関する法律」等を挙げた。


教育では社会人のリカレント教育を支援する。子ども達一人一台のPC等の設備実現や低価格で使用できる学習用PCの開発、学術情報ネットワーク(SINET)から教室までの高速通信ネットワーク等の学校におけるICT環境の抜本的な改善に取組む。また、世界最高水準の研究拠点の形成や人材の育成・確保を行う。特に将来を担う若手研究者や女性研究者の研究環境を整えたい。


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