【政治報道】 令和元年七月十六日にシンクタンク・言論NPO(代表:工藤泰志)は、二十一日に投開票される『参院選』を前に日本の政治や民主主義に関する世論調査結果を公表した。今回で三回目。調査は五月から六月に掛けて全国の有権者・十八歳以上を対象に訪問留置回収法で行った。有効標本数は一千人。日本全体の意見として統計的に有効である。
今回の世論調査では、代表制民主主義を構成する日本の政党や国会等を信頼している人は二割から三割程度となった。政治が国民から信頼を失っている。政治に対して圧倒的に信頼を集めてたのは皇室や自衛隊、警察等。日本の将来を悲観視している人は五割で、政党に日本が直面する課題の解決は「期待できない」と考えている人も六割に迫った。政治不信の傾向は、バブル時代の負の遺産の責任を一手に押し付けられている二十代と三十代の若い現役世代で特に目立った。
メディアと政府を信頼している人も少なく、「信頼できる」は共に三割台で、「信頼できない」は五割台。政府よりもメディアの方が国民からの信頼性が低く、深刻だ。記者クラブをはじめとする政治家や官僚との癒着・媚び諂いの問題、記者達の勉強不足(現場で質問する記者の知能指数の低下)の問題が顕在化している。
但し、首相に関しては一割以上、信頼性が高い。
国会と地方議会、政府と地方自治体では共に後者の方が信頼性が高い。大企業と中小企業の項目もあり、前者四割に対し、後者は五割と前者への信頼性が低かった。
若手の意見が反映できる選挙に
民主主義の機能に関しては、やはり二十代と三十代で「機能している」が五割を切る。他の世代は五割から六割だ。若手の意見が国に反映されていないと感じている。政党に期待できない理由の首位は「選挙に勝つ事が自己目的化し、政党や政治家が課題解決に真剣に取組んでいない」だった。二位との差は二割もあった。代表制民主主義の仕組みの信頼性も三割前後と低い。
現在の選挙は候補者を選ぶのではなく、政党を選ぶ。諸悪の根源は「小選挙区制への移行/政治改革四法」であろう。中選挙区制の時代には、同じ政党の候補者が同じ選挙区で複数立候補し、競い合っていた。ただ、金権政治を忌避し、非自民の小沢一郎が導入。以来、金の問題は多寡的に減ったが、政党を選ぶ選挙になってしまった。
最後に「今回の選挙では何が問われているのか」の問いに「日本の将来」が二位に一割の差をつけて首位の三割であった。小選挙区制廃止のフラグが立つ。
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