経団連が令和二年度の税制改正を提言、「法人実効税率」は二十五㌫と

【ビジネス報道】 経済四団体の一角・経団連(会長:中西宏明)は、令和元年九月十七日に『令和二年度 税制改正に関する提言』を発表した。


今次の改正では企業の国際競争力を強化し、経済再生に資する「連結納税制度」の見直しや「税務手続」の簡素化・デジタル化の更なる充実等を極めて重要とする。年末の景気の下振れリスクについては、顕在化時に税を含めた「機動的なマクロ経済政策」の検討を訴える。


今次は以下の九つに大別した。

  1. S5の実現に向けた企業の生産性向上に資する税制措置の整備
  2. 法人課税の諸課題
  3. 国際課税の諸課題
  4. 環境・エネルギー関係諸税
  5. 住宅・都市・土地税制
  6. 自動車関係諸税
  7. 金融・証券・保険税制
  8. 年金税制
  9. 消費税


一では、「法人実効税率」を早期に二十五㌫にすべき、と主張。「研究開発税制」も拡充し、グループ企業の連結納税にも言及。


二では、地方法人課税の改革(償却資産に係る「固定資産税」の抜本的見直し等)や事業再編・企業間連携の更なる促進、賃上げ・生産性向上の為の税制等を挙げた。

 具体的には、「株式交付制度」創設を契機とし、自社株式を対価としたM&Aに応じた株主につき、「株式譲渡損益の繰延措置」の本則化を検討を求める。その際に、子会社株式の買い増しや株式と金銭を併せて対価とする場合も対象とする点と現行の『産業競争力強化法』における余剰資金超過要件(対価として交付する株式の価額が余剰資金の額を上回る事)の撤廃も検討すべき、として。


 またLLP(有限事業責任組合)に対する現物出資時の簿価譲渡を可能とする制度の創設やLLCの「パススルー課税」整備、コネクテッド・インダストリーズ税制の拡充(クラウド サービスの対象化ないし別途減税措置)、「業績連動型の譲渡制限付株式」の損金算入、大学への寄附促進の為の税制措置等も求めた。



三では、BEPS(税源浸食と利益移転)勧告の国内法制化に関する課題等(キャピタル ゲイン特例の要件の見直し等)や経済の電子化に伴う課税のあり方の見直し等。


四では、「地球温暖化対策税」の廃止や新たな「炭素税」等の導入反対、「省エネ再エネ 高度化投資 促進税制」の延長・拡充等。


五では、新築住宅に係る「固定資産税」の軽減措置の延長や国家戦略特区に関する特例の延長・拡充等。


六では、「自動車関係諸税」の簡素化や「当分の間税率」の早急な廃止。


七では、NISAの投資可能期間と非課税保有期間の恒久化。投資可能期間の確保(一般・ジュニアは五年、つみたては二十年)。上場株式等の「相続税評価額」の見直し。「金融所得課税」の更なる一元化。「生命保険料 控除制度」の拡充。


八では、退職年金等積立金に係る「特別法人税」の廃止と確定拠出年金制度の拡充。


九では、「消費税の仕入税額控除」に係る九十五㌫ルールの復活、適格請求書方式における事務負担の軽減に向けた所要の措置、、福祉車両や損害保険等の仕入税額控除ができない非課税取引への配慮を挙げた。


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